
ベイルート:トルコは19日、シリア北部の複数の町に空爆を行った。米国が支援するクルド人主導の武装組織が明らかにした。
イスタンブール中心部の繁華街で爆弾が爆発し、6人が死亡、80人以上が負傷した1週間後に今回の空爆は行われた。
トルコ当局は、その攻撃は非合法武装組織クルド労働者党(PKK)と、PKKと提携しているシリアのクルド人民兵組織の仕業だと非難した。
しかし、そのクルド人民兵組織は関与を否定している。
トルコと米国はPKKをテロ組織と見なしているが、シリアのクルド人組織の位置づけに関しては意見が分かれている。
シリアのクルド人組織は米国と連携し、シリアでダーイシュと戦っている。
空爆の後、トルコ国防省は「ならず者による危険な攻撃の責任を取らせる」という文章とともに戦闘機の写真を投稿した。
今回の空爆の標的は、トルコ国境に近い戦略上重要な町、コバニだった。トルコは以前、シリア北部に沿って「安全地帯」を設立する計画において、この町を襲おうとしていた。
シリア民主軍(SDF)のファルハド・シャミ報道官はツイートで、避難民が多く住む2つの村がトルコに砲撃されていると付け加えた。同氏によると、その砲撃で「死者と負傷者」が出たという。
シリアの反体制派メディアは、トルコの空爆はクルド人主導のSDFの陣地を標的にしていたと報じた。
在英の反体制派戦争監視団であるシリア人権監視団は、シリア軍の陣地も空爆され、SDFの兵士とシリア軍の兵士を含む少なくとも12人が死亡したと報じた。
トルコの戦闘機は、アレッポ、ラッカ、ハサケの郊外にある拠点に約25回の空爆を行った、と同監視団は発表した。
隣国イラクでは、エルビルにある米国総領事館が、トルコが今後数日のうちにシリア北部やイラク北部で行う可能性のある軍事行動に関する「信憑性の高いオープンソースの報告」を監視していると発表した。
SDFは19日、「トルコが攻撃すれば、その地域の戦闘員は、大いに抵抗し地域を守る権利を持つことになるだろう。そして、その地域は長期にわたる戦争に突入するだろう」と発表した。
トルコは2016年以降、シリアへの大規模な越境作戦を3回行っており、すでに北部のいくつかの領土を支配している。
AP