
アルジェ:アルジェリアの裁判所は、2020年夏に多数の死者が出た山火事を起こしたと疑いをもたれた男性が殺害された事件をめぐり、48人を殺人罪で死刑とした。
2021年にアルジェリア全土で発生した山火事の消火活動のためにアルジェ郊外のカビリー地方に行ったと語っていた歌手、ジャマル・ベン・イスマイルさん殺害は、同国に衝撃を与えた。
この火災で数十人が死亡し、町や村は廃墟と化した。当局は、放火犯が火事を起こしたと発表したが、詳細は明らかにしていない。裁判中に提出された証言やビデオによると、カビリーに赴いていたベン・イスマイルさんは、ラルバアナトイラトンの若者たち数十人に捕らえられ、生きたまま焼かれた。
裁判官はまた、他の37人に2年から10年の禁固刑を宣告し、他の17人には無罪を言い渡した。
カビリー地方は、1990年代の反政府活動の中心地であり、地元の文化や言語の地位向上を求める声により、依然として政治的に慎重な対応が求められている地域だ。
アルジェリア内陸部の多くは砂漠だが、北部には400万ヘクタール以上の森林があり、毎年夏になると火災に見舞われる。
そのため、当局が火災への備えを怠っていたとの批判がある。
アルジェリア軍はヘリコプター5機を動員し、救急隊は放水ヘリコプター3機で消火活動を行い、欧州からも消防航空機が応援に駆けつけた。
AFP