
テヘラン:活動家からの情報によると、反体制の強いイラン南東部にあるスィスターン・バルーチェスターン州で金曜礼拝の後、治安部隊がデモ隊に向け発砲し数十人が死傷した。
2022年9月16日にクルド系イラン人女性マフサ・アミニさん(22歳)が警察に拘束され死亡したことに端を発したデモ活動に対しイラン政府は弾圧を強化している。
運動家たちは今週、イラン政府の残忍なデモ弾圧の矢面に立たされているクルド人達との連帯を示し、イラン全土でのデモを呼びかけていた。
2022年11月25日金曜にイランで数少ないスンニ派が多数を占める都市、スィスターン・バルーチェスターン州の州都ザーヘダーンで撮影された動画ではデモ隊が「クルド人、クルド人、私たちはあなた方をサポートする」と唱えている。
ソーシャルメディアに投稿された別の未検証の動画では、デモ隊がイラン最高指導者アリー・ハメネイ師を暗に意味するかたちで「クルド人とバローチ人は兄弟であり、指導者の血を待ち望んでいる」と歌っている。
活動家らによるとザーヘダーンでその後、治安部隊がデモ隊に発砲したという。
ロンドンに拠点を置くバローチー族活動家キャンペーン(BAC)が同組織のテレグラムチャンネルで「数十人が死傷した」と述べた。死傷者数についてはAFPは確認を取れていない。
BACは、ザーヘダーンのマッキモスクで治安部隊の砲撃により負傷したと見られる男性を、複数の男性が運ぶ姿を映した動画を投稿した。
BACおよび1500tasvirによると、デモ隊はスィスターン・バルーチェスターン州のイーラーンシャフル、ハーシュ、サラーヴァーンでも街頭での抗議活動を行ったという。
オスロに拠点を置くイラン・ヒューマン・ライツ(IHR)によると、イスラム革命防衛隊は人々を鎮圧するために重機関銃などの兵器を使用しているという。
革命防衛隊は反体制の強いクルド地域での存在感を高めている。
イラン西部および北西部のクルド人住民が多い州では、テヘランでアミニさんが女性に対する厳格な服装規定に違反した疑いで逮捕され死亡した事件以来、抗議活動の中心地となっている。2022年11月22日火曜日、IHRはデモ活動勃発以降、子供51人、女性27人を含む少なくとも416人がイラン治安部隊により殺害されたと発表した。
この中にはスィスターン・バルーチェスターン州で死亡した126人、コルデスターン州で死亡した48人が含まれいている。
2022年9月30日にザーヘダーンで起きた大規模な銃撃では90人以上が死亡した。金曜日のデモはイラン政府による残忍な弾圧に対し、国連人権理事会がハイレベルな調査団の設置を決定した翌日に起きた。
イラン政府はこの動きを非難し「役に立たず、国の主権を侵害している」と述べた。
著名なバローチ人聖職者、モウラヴィー・アブドゥルハミド氏は金曜礼拝で、逮捕や殺害などによるデモ弾圧をやめるよう求めた。
モウラヴィー氏のウェブサイトは「人々の抗議活動は、43年間の政策が行き詰まりに達したことを示している」と同氏の言葉を引用した。
AFP/Reuters