
ナジャ・フーサリ
ベイルート:ベイルート南部の地区で、機関銃やロケット砲を使用した麻薬密売の敵対勢力同士が、11月29日火曜日、激しい衝突を起こした。
パレスチナ難民のためのブルジュ・アル・バラジュネ難民キャンプに隣接する地域で、2つの組織のメンバーが麻薬密売をめぐる争いに発展し、レバノン軍が戦闘を終わらせるための介入を余儀なくされた。
月曜日遅く、レバノン人の母親を持つシリアの麻薬密売人とされるハッサン・ジャアファル容疑者が、バールベック地区と呼ばれる同じ地域に住む敵対組織のメンバーと口論を始めたことから、まず衝突が発生した。
ベイルートのパレスチナ解放機構(PLO)とファタハ運動の関係者であるサミール・アブ・アファシュ氏はアラブニュースに対し、ジャアファル容疑者は他の武装集団との紛争で「キャンプの方向に乱射」を始めたと述べた。
「キャンプに対して何かが計画されているのではないかと危惧していました」と同氏は語った。
アブ・アファシュ氏は、PLOはレバノンの問題に干渉しないこと、またパレスチナ人とレバノン人の間の紛争に難民キャンプを巻き込まないことを約束していると述べた。
「そこで私たちはレバノン軍とヒズボラに連絡を取り、衝突をやめさせました。しかし、朝になって軍が介入し、ジャアファル容疑者が数年前に仲間のために作った隠れ家に入り、2人を逮捕するまで、夜通し、断続的に戦闘が続きました。ジャアファル容疑者は今も逃亡中です」
同氏は次のように付け加えた。「ヒズボラとアマル運動は、ジャアファル容疑者の援護をしないことを繰り返し強調しており、彼らが介入した場合、ジャアファル容疑者は通例しばらくおとなしくしています。ジャアファル容疑者はこの地域で名声を上げ、麻薬とともに例えば建築資材など、禁制品をキャンプに持ち込むことに成功しました」
軍は強制捜索の際、バイクなどの盗品を押収したとみられている。
ブルジュ・アル・バラジュネ難民キャンプには、35,000人以上のパレスチナ難民と、シリアから逃れてきたシリア人、パレスチナ人が暮らしている。
レバノン治安部隊は、キャンプに隣接する近隣の麻薬密売人を取り締まっている。
治安関係筋によると、売人や流通業者は、キャンプから来た人々に麻薬を売るように勧めているとのことだ。
レバノン各地、特にベイルート南部郊外と北部ベッカー地区のヒズボラ拠点地区には、麻薬の売人や逃亡者の隠れ家がよく見られるが、ヒズボラはこうした拠点とは無関係だと主張している。
ここ数カ月は問題が悪化している様子で、麻薬の売人が治安部隊を脅かすことさえある。
トリポリの地域麻薬取締局の責任者であるイブラヒム・ラシッド中佐は、2016年から麻薬中毒者と売人の数が増加したことが統計で分かったと述べた。
この問題は、レバノンの治安と司法制度に大きな負担をかけている、と同氏は言う。
「薬物使用者は、窃盗、詐欺、犯罪、攻撃性を求め、他人の生命だけでなく、社会の安全に対する脅威となります」と同氏は付け加えた。
レバノン北部のサマランダ・ナサール捜査判事は、レバノンの薬物問題に関する最近のセミナーで、中毒者の増加により、国中で窃盗や殺人が増加していると語った。
「私たちは、若い年代や青年を対象とした新型の薬物や、人間の脳を混乱させる効果において従来の薬物に劣らない危険性がある電子ドラッグに対峙しています」と同氏は述べた。
「麻薬の売人への厳しい罰則が必要です。適切な判断を下し、犯罪者を罰する決意です」