
アラブニュース
ロンドン: 英国は、シリアやアフガニスタンなど紛争国から逃れてきた人々の亡命申請の審査迅速化に向け2段階の難民制度を確立する計画を来週発表する予定だ。
安全な国とされるアルバニアなどからの大量移住もあり、英国には15万件という大量の未処理申請がある。
英国を目指して大量の人々が小型ボートで違法に英仏海峡を渡るようになり、亡命申請者を収容・支援する同国の収容能力に大きな負担がかかっている。
英国内務省によると、年末までに少なくとも5万人が入国し亡命を申請する見込みだ。
また、同省の統計によればアフガニスタン、シリア、エリトリアからの避難民の申請の約98%、スーダンからの人々の87%、イラン人の82%が最終的に承認されている。これらの人々の申請は未処理の亡命申請全体の約3分の1を占める。
今回提案ではアフガニスタンやシリア出身の人々が優先されるようになり、プロセスが効率化され、一次承認後のフォローアップ面接やセキュリティー・身分確認などが廃止となる。
この措置により、亡命資格を持つより多くの難民が仕事や住居を確保しやすくなり、英国での生活を始めやすくなると考えられている。
一方、アルバニア人からの申請処理も迅速化され、英政府とアルバニア政府間で申請が却下された人の送還手続きも迅速化する取り決めが合意される予定だ。
情報筋がタイムズに語ったところによると、この新方式はリシ・スナク英国首相が直接監督しており、以前、国籍によって申請手続きを迅速化するのは「正しいやり方ではない」と公言していたスエラ・ブラバーマン内相から「政策の主導権を完全に掌握した」とのことだ。
「スナク首相は内務省職員を直接監督し、スエラ内相は脇に追いやられた形になっている」と情報筋はいう。
内務省関係者がタイムズに語ったところによると、同省は「承認率が非常に高い申請にリソースを集中させる」ことを検討しているとのことだ。