
アラブニュース
ロンドン:イランで継続している反体制抗議活動をめぐって6名が死刑判決を受けた中の1人である27歳の男性が刑務所で数回の模擬的処刑を受けているとBBCが報じた
ミザン通信によれば、先月、革命裁判所は、「国の平和と秩序を乱しイスラム政府と対立する目的で、公共物を破壊し、放火した」行為についてサハンド・ヌールモハマドザデ氏に有罪判決を下した。
検察官らは、ヌールモハマドザデ氏が高速道路を封鎖し、ごみ箱やタイヤに火をつけるなどして暴動に参加したとして非難し、法廷で動画を示した。その動画には、1人のマスクの男が燃えているごみ箱を道路に押し付けたり、2車線の間に手すりを設置したりする様子が映っていた。検察官らは、マスクの男が被告人であると主張している。
ヌールモハマドザデ氏は無罪を主張しており、彼の弁護人は、ヌールモハマドザデ氏がマスクの男であることを示す証拠はないと法廷で主張した。
BBCペルシアのある情報筋によれば、捜査官らは、ヌールモハマドザデ氏の母親が心臓発作を起こしたとの嘘の情報を同人に伝え、母親が死ぬ前に話したければ、ある書類に署名しなければならないと告げたそうである。テヘランの弁護士によれば、この書類は、有罪を自認するに等しいものであるとBBCは報じている。
裁判所は「神への敵意」の罪でヌールモハマドザデ氏に死刑を宣告し、同人は刑務所内で模擬的死刑執行を3回受けた、とBBCペルシアの情報筋は語った。
模擬的死刑執行とは、一種の心理的拷問であり、被害者は処刑が行われているように感じるが、実際には行われていないというものだ。BBCの情報筋によれば、ヌールモハマドザデ氏は、既に裁判の前から、「(これから)目隠しをされ、椅子に乗り、首を吊られる」と告げられたことがあったという。
イランでの抗議行動をめぐって、アムネスティ・インターナショナルは「見せかけの裁判」で少なくとも21名が死刑を宣告される危険があると警告している。
死刑判決を言い渡された6人の被告人は上訴することも可能である。しかしBBCが報じたところによれば、ゴーラムホセイン・モーセニ・エジェイ司法長官は、5日月曜日、彼らの処刑はまもなく執行されると述べた。
9月に警察所内の拘留所で死亡したマフサ・アミニ氏の事件を受けて全国的な抗議運動が勃発してから現在までに約18,200人が逮捕されたと人権活動家通信(the Human Rights Activists News Agency)は推定している。そのうち多くの人が、拘束中に拷問などの不当な扱いを受けていると報道されている。