
バグダッド/ナシリヤ:イラク南部ナシリヤで7日、イラク治安部隊が反政府デモの参加者を解散させるために実弾を使用し、デモ参加者2人を射殺した。警察情報筋や医療関係者がロイター通信に明らかにした。
治安部隊がデモ参加者を橋や中央広場から遠ざけようとした際、少なくとも16人が主に実弾によって負傷した、と情報筋は話した。
警察によると、デモ参加者が治安部隊に投石し、17人が負傷した。
ロイターの目撃者によると、その後、大勢の人が病院の死体安置所の外に集まり、2人の遺体を引き渡すよう要求したという。
シーア派が多いナシリヤでは最近、活動家が逮捕の標的にされている。
このことに抗議するために呼び掛けられた今回のデモには約300人が参加した。
ヘイデル・ハミド・アル・ザイディさん(20)は今週、国が認める民兵組織を批判したとして懲役3年の判決を言い渡された。この判決に抗議するため、デモ参加者は街に出た。
2019年10月に始まった民衆の反政府抗議運動に積極的に参加していたザイディさん(20)は5日、ツイッターでコメントを書いた件で、バグダッドの刑事裁判所で判決を受けた。
ザイディさんは、そのコメントを書いていないと主張している。
ザイディさんは、あらゆる政府機関・政府関係者を公然と侮辱することを禁止する刑法の条項に基づき起訴されていた。
ザイディさんはそのツイートの件で6月に逮捕され、16日後に保釈された。彼は、アカウントがハッキングされたと主張している。
こうした形で抗議デモで死者が出るのは、10月にムハンマド・シア・アル・スダニ首相によって新政権が樹立して以来、初めてだった。
(ロイター通信、AP通信と共同)