

ベイルート:火曜日遅く、レバノンで新政府が発表され、現在行われている大規模デモと経済の混乱の中で、数ヶ月にわたって続く行き詰りが打破されることになった。
ベイルート・アメリカン大学の60歳の教授、ハッサン・ディアブがこれで20人の大臣から成る内閣を率いることになる。そのほとんどが、政党の支持を受けた専門家だ。
この出来事は、サード・ハリリ前首相が辞任して3ヶ月が経過してのことだが、デモ隊を満足させそうにはない。彼らは全面的な改革と、この数十年間でこの国が直面したものとしては最悪規模の深刻な影響を与えている同国の経済・財政危機に対処できる独立したテクノクラートから成る政府を求めている。
火曜日、レバノンのベイルート東部のバアブダーの大統領府でハッサン・ディアブ次期首相と会談するレバノンのミシェル・アウン大統領(左)。(AP通信)
内閣の発表の直前、新政府に反発して、何千人もの人が通りになだれ込み、ベイルートの主要道路や同国のその他の場所を封鎖した。
彼らの怒りは、政治グループに向けられており、これらのグループが新しい大臣を指名したのだと主張している。
「仕事に着手する時だ」と、発表の後の国民に対する演説の中でディアブは述べた。
彼は通りのデモ隊に敬礼し、「皆さんの要求の実現に取り組む」ことを公約し、彼の政府はテクノクラートのみから成るレバノン史上初の政府だと主張した。20人の大臣は、政治的しがらみは一切なく、政党員でもない専門家だと断言した。
ディアブは国民に対し、政府による「応急プログラム」の実施を支援するよう訴え、この内閣にはこれを成し遂げるための「能力と資質と、意志と責任」があると語った。
防衛大臣兼副首相を含む、指名された大臣の中の5人は女性だ。
主要な省のトップには、外務大臣に指名されたキャリア官僚のナセーフ・ヒッティが含まれる。経済学者のガジ・ワズニは財務大臣に指名され、モハメド・ファフミ元陸軍大将は内務大臣に指名された。ゼイーナ・アカールは防衛大臣兼副首相に指名された。
路上での抗議デモが広まる中、10月末にハリリが辞任して以降、交渉は暗礁に乗り上げていた。
ディアブは対立する野党の要求を何とか調整し、組閣することに成功した。
内閣から政治家を排除しろというデモ隊の要求にも関わらず、新政権のテクノクラートの多くは政党によって指名されたと考えられている。ヒズボラは2人の新大臣を指名した。
ベイルート・アメリカン大学のヒラル・カーシャン教授は、全ての大臣候補が既成政党とつながっていると語った。
「テクノクラートだけで構成される内閣というのは、希望的観測です」と彼は語った。「全ての候補者の裏に、指名を後押しした政党がいます」。
複数の政治関係筋は、行き詰りの主な原因は、自由愛国運動(FPM)の代表を務め、ミシェル・アウン大統領の義理の息子であるゲブラン・バシルが求めるポストの数だったと語った。
最大のキリスト教政党であるFPMは、内閣の大臣ポストの3分の1を要求してきた。これにより、前政権の下で得ていたのと同じ拒否権を行使できるようになる。
キリスト教政党マラダ運動指導者のスレイマーン・フランジェは、組閣が遅れた責任を真っ向からバシルとFPMに負わせた。
「彼の欲と野心は、政府を妨害することです…ゲブラン・バシルに組閣を全て任せ、彼に神のご加護があるように祈りましょう」と、フランジェは語った。彼は内閣の2人の指名を希望していたが、1人しか指名できなかった。
「彼は我々を危機の瀬戸際へと追いやり、我々と行動を共にしないなら、妨害の責任は自分たちにあるのだと言うのです。物事がこのように続けば、最悪の事態に繋がってしまいます」。
レバノンの人々は、新政権が改革の陣頭指揮を執り、数十億規模の国際援助を開放し、3分の1以上の価値を失った急騰するレバノンポンドの安定化を促すことに期待を寄せている。ドルの流動性危機とドル取引に対する規制は危機を悪化させてきた。
「どんな内閣であれ、この深刻な時期に待ち受けている課題は、大変なものです」と、政治科学者のカリム・ムフティは述べた。「危機の多面的性質に鑑みると、この国の金融・経済・社会問題に対する短期的な解決策を思い描くのは難しそうです」。
この記事はAP通信およびナジア・アル・フッサリの追加報告に基づいている。