
アラブニュース
ジェッダ:イランは12日、数カ月にわたって政権を揺るがしている抗議デモの参加者を処刑した。デモに関連した死刑執行は2人目。国際社会は、イランがデモに関与した人たちに対して極刑を用いていることを非難しているが、イランは無視している。
EUの複数の外相は、イランが反政府デモを弾圧していることと、イランがロシアにドローンを提供していることを非難した。そして、イランへの圧力強化を目的とした新たな制裁措置の導入を進めた。
「女性や平和的なデモ参加者を支援するために、EUはできる限りの行動を取る」とEUのジョセップ・ボレル外交安全保障上級代表は述べた。
ドイツのアナレーナ・ベーアボック外相は次のように述べた。「この制裁措置で我々が特に標的にしているのは、死刑執行や罪のない人たちに対する暴力に対して責任がある人たち……特に革命防衛隊だ」
12日に行われたマジドレザ・ラフナバルド氏の公開処刑によって、イランが現在、迅速に死刑を執行していることが分かった。死刑判決を言い渡されているのは、デモで拘束された人たちだ。イラン政府はデモを鎮圧したいと思っている。
ラフナバルド氏(23)は、治安部隊員2人をナイフで殺害し他の4人を負傷させた罪で、マシャド市の裁判所から死刑判決を受けていた。イラン司法府のニュースサイト「ミザン・オンライン」が報じた。
同氏は11月に逮捕された後、わずか3週間ほどで処刑された、と人権団体は発表した。
同氏の死刑が執行されたのは、治安部隊員1人を負傷させたモフセン・シェカリ氏(23)の死刑執行(11月8日)のわずか4日後だった。デモ参加者に対して死刑が使われたのは、シェカリ氏の事例が初めてだった。
「これらの処刑は露骨な威嚇行為だ。デモ参加者は犯罪を犯しているのではなく、街頭に出て意見を表明しているだけだ。自由に生きたいだけだ」とドイツのベーアボック氏は述べた。
ミザンはラフナバルド氏の処刑の画像を公開した。両手を後ろ手に縛られた男性が、クレーンに取り付けられたロープに吊るされていた。
オスロ拠点の人権団体「イラン・ヒューマン・ライツ」の代表を務めるマフムード・アミリモガッダム氏は「ラフナバルド氏は、著しく不公正な手続きと見せしめ裁判の後、強制された自白に基づき死刑判決を受けた」と述べた。
同氏はこう付け加えた。「デモに参加した若者を逮捕し、23日後に公開処刑した。これは、イラン政府の指導者が犯したもう一つの重大犯罪だ。デモ参加者に対する暴力のレベルが著しくエスカレートしている」
抗議デモは、風紀警察に逮捕されたクルド系イラン人、マフサ・アミニさん(22)が9月16日に拘束中に死亡したことがきっかけとなり始まった。