• 暴動に警察が対応していた際、マアーン県警察副署長アブドゥル・ラッザーク・アル・ダラビー大佐が頭部に銃弾を受けた
• アブドッラー国王は犯人に裁きを受けさせることを厳命した。

ラエド・オマリ

アンマン：15日にヨルダン南部の都市マアーンで発生したデモの際に銃撃され死亡した同国警察の幹部が16日、首都アンマンから40km離れた故郷のジャラシュで埋葬された。

アル・フセイニヤ地区で発生した暴動に警察が対応していた際、マアーン県警察副署長であるアブドゥル・ラッザーク・アル・ダラビー大佐が頭部に銃弾を受けた。マアーン県での衝突では他に2人が負傷した。同県は燃料価格高騰に抗議するデモに揺さぶられている。

王宮府の声明によると、アブドッラー国王は16日、犯人に裁きを受けさせることを厳命するともに、国家に対する暴力、公有財産の破壊、ヨルダン国民の権利の侵害に対しては断固とした対応を取ることを再確認した。

また、暴行や破壊行為は「国家安全に対する危険な脅威」であると強調し、「ヨルダンと国民を守るために日夜働いている国の治安要員に対する暴力は容認しない」と付け加えた。

さらに、ヨルダン国民が置かれている困難な経済状況や、法律の範囲内で平和的に意見を表明する権利を認めたうえで、国家機関は犯人の責任を問うためにあらゆる措置を取ると述べた。

公安局は、治安機関は平和的なデモを行う国民の権利を尊重しつつ、暴動に対しては「厳格な姿勢」を維持すると述べた。

政府は、暴力行為や国の安全・安定を損なおうとする試みに対しては「ゼロトレランスを維持する」と述べた。

ファイサル・シュブール・メディア担当国務相は、正義が果たされ、アル・ダラビー大佐の殺害に関与した者は起訴されるだろうと述べた。

ヨルダン最大の部族でアル・ダラビー大佐が属していたバニ・ハッサン族は、殺害犯を特定するように当局に求めるとともに、「弔いの場には政府を歓迎しない」と強調した。

この部族出身の12人の議員は、当局が犯人に裁きを受けさせることができなければ、辞任して政府に対する不信任決議を提出するか下院をボイコットすると述べた。

マゼン・ファライェ内相は16日の記者会見で、マアーンやその他の地域での座り込みの一部が暴徒化しており、デモ隊が道路を封鎖し政府機関を攻撃していると述べた。

また、アル・ダラビー大佐の殺害犯を特定するための努力の強化を約束した。

続けて、政府は「意見を表明し平和的なデモを行う自由は守るが、暴徒や破壊者に対しては適切な力を行使する」と述べた。

さらに、暴動を防ぐためにマアーンやその他の地域にさらに治安部隊を配備すると述べた。

ヨルダン、特に南部地域では、ここ2週間ストライキが続いている。

マアーンのトラック運転手らはディーゼル価格の高騰に抗議して、アンマンと港湾都市アカバを結ぶ砂漠の高速道路で座り込みを開始した。その後、アンマンや、イラクとの国境近くのマフラクなど、他の地域の同業者らも加わった。

ヨルダン各地のバス運転手やタクシー運転手も座り込みを行っており、政府に対し燃料価格の引き下げを要求している。

南部の都市マアーン、タフィラ、カラクの商業従事者らは「市民的不服従」として店を閉め、運転手らへの連帯を示した。

一部の地域では暴動が発生し、道路が封鎖されたりタイヤが燃やされるなどしたため、治安部隊が介入した。

議員らは最近の国会で、政府に対し燃料・基本的物資価格の引き下げとインフレ抑制のための介入を求めた。

一部の議員らは政府に対する不信任動議を行うと警告した。

ビシェル・ハサーウネ首相は、「政府には燃料デリバティブに補助金を出す余裕はない」と述べた。

さらにこう続けた。「燃料価格を引き下げるということは、5億5500万ヨルダンディナール（7700万ドル）の費用が予算に追加されるということだ。政府にはそのような資金はない」

街頭で緊張が高まっているのには首相の「下手な言い回し」にも原因があると言う議員もいる。

ヨルダンの燃料価格はここ数ヶ月連続で上昇している。特にディーゼルと灯油が高騰している。

ファライェ内相は、国民が置かれている困難な経済状況を認めつつ、燃料価格は今月末か来月までに引き下げると述べた。

政府は、貧困家庭数千世帯に約350万ヨルダンディナールの経済支援を行うなどの緩和策も提案している。