
アラブニュース
ロンドン:警察の拘束中に死亡したイラン人男性の遺体を掘り起こし、検査を行ったところ、激しい拷問の形跡が見つかった。その男性の家族が明らかにした。
ハメド・サラショールさん(23)は抗議デモに参加したとして当局に拘束され、4日後の11月26日に死を宣告された。彼の家族は、彼は心臓発作を起こしたと聞かされた。家族によると、彼の遺体には重度の頭部外傷の痕跡があり、手術を受けた可能性もあるという。
タクシーの運転手をしていたサラショールさんは死亡する直前に、就職活動がうまくいったという「良い知らせ」を受けたと報じられている。
彼の家族と親しい情報筋はBBCペルシャ語放送にこう話した。「逮捕の数時間前、ハメドさんは石油省に採用されたという良い知らせを受けた」
彼は母親に電話でそのことを伝えた。その後、彼のタクシーはイゼ市とイスファハン市の間で当局に止められ、彼は拘束された。
11月30日、彼の父親は、「息子は心臓発作で死んだ」と書いてある書類に無理やり署名させられた。サラショールさんのいとこたちがBBCに明らかにした。「治安部隊は他の家族を脅し、公葬を行うことを禁じた」と彼らは付け加えた。
いとこたちによると、葬儀は夜間に、イゼから18マイル離れた場所で行われ、サラショールさんの両親だけが参加したという。家族は翌日、遺体を掘り起こした。
情報筋はBBCにこう話した。「顔がつぶれていた。鼻、あご、あごの先が折れていた。首からへそまでの胴体と、腎臓の上を縫われていた」
「彼らはハメドを、服や靴を履いたまま埋めた。まっすぐに寝かされていなかった。なのに彼らはイスラム教徒を名乗っている」
全国的な抗議デモが9月に始まって以降、イラン政府の手によって、少なくとも502人が殺されたと考えられている。サラショールさんはその1人にすぎない。デモのきっかけになったのは、クルド人女性マフサ・アミニさん(22)が死亡した事件だ。アミニさんはヒジャブの着け方が不適切だとしてイランの風気警察に拘束された。その3日後、彼女は拘留中に死亡した。
1万8450人もの人々が逮捕されている。すでに処刑された人は少数だが、より多くの人々が、デモに参加したために死刑に直面している。拘束されている人たちに対する拷問や他の形の虐待が当たり前に行われていると伝えられている。
「19年の人生でこんなに殴られたことはなかったが、最後まで悔いている様子を見せず、涙も見せなかった」。そう話したのはヤルダ・アガファズリさん(19)だ。彼女は10月に拘束されたが11月に釈放された。11月18日、彼女は自宅で遺体となって見つかった。死因はまだ確認されていない。
デモに参加したもう一人の若者、アルシア・エマムゴリザデさん(16)は11月に釈放されたが、6日後に自殺した。情報筋はBBCに対し、彼は拘留中に当局から拷問を受け、錠剤を飲まされたと話した。
セイド・モハメド・ホセイニ死刑囚もひどい拷問を受けている。ホセイニ氏を担当しているアリ・シャリフザデ・アルダカニ弁護士が明らかにした。
「彼は縛られ、目隠しをされて殴られた。テーザー銃で撃たれ、足の裏を金属棒で叩かれた」とアルダカニ氏は19日に述べた。