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ガザ地区で共にクリスマスを祝うキリスト教徒とイスラム教徒のパレスチナ人たち

ガザ地区でのクリスマスイブのお祝いの情景。(AN/Hazem Balousha)
ガザ地区でのクリスマスイブのお祝いの情景。(AN/Hazem Balousha)
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25 Dec 2022 10:12:05 GMT9
25 Dec 2022 10:12:05 GMT9
  • ガザ地区にはローマ・カトリックとギリシャ正教のキリスト教徒が約1,300人住んでいる
  • ピアバティスタ ・ピザバラ大司教が、今年、早めのクリスマス・ミサを司式した

ハゼム・バルーシャ

パレスチナ、ガザ市: ガザ市では、今月初め、小規模ながらも強い絆で結ばれたカトリックのキリスト教徒コミュニティがホーリー・ファミリー教会でのクリスマス・ミサに集まった。このクリスマス・ミサはエルサレムのカトリック総主教のピアバティスタ ・ピザバラ大司教が司式した。

ガザ地区のキリスト教徒の多数がベツレヘムに移動し降誕教会での深夜ミサに出席することをイスラエルが阻んでいるため、ガザ地区ではクリスマスを早めに祝ったのだった。

「もう何年もの間、私はガザ地区に来てキリスト教徒の皆さんと共にクリスマスを祝っています。彼らに寄り添って、彼らを支援するためです」と、ピザバラ大司教はアラブ・ニュースに語った。

総主教はガザ市内に3日間滞在し、その間にカトリック教会管轄区の教育、医療施設を訪問した。

「ガザ地区のすべてのキリスト教徒が許可を得ているわけではありません。そこで、彼らとクリスマスを分かち合うことが必要なのです。私はガザ地区にいてとても温かい気持ちになりました」と、総主教は述べた。

イスラエルは、当初、パレスチナの民事総局から提出された申請を受けて645人分の許可証をパレスチナのキリスト教徒に発行することに同意していた。イスラエル政府は、ベツレヘムとエルサレムを訪れるための許可証の発行を子供を除外した500人分とするとその後決定した。

パレスチナ人の移動の自由への支援に特化したイスラエルの組織「ギシャ」によれば、12月6日の時点で、996人分の申請が提出され、内781人分が16歳以上の個人だった。その申請の内の514人に加えて、131人の子供に対して許可証を与えることが承認された。

家族船員が一か所に集ってクリスマスを祝うことが出来ないことを嘆くキリスト教徒もガザ地区にはいる。

「クリスマスはキリスト教徒である私たちにとって喜びであり、家族全員が集う機会でもあります。しかし、現況、私たちは集うことを妨げられています」と、ガザ地区在住のサナ・タラジ氏はアラブ・ニュースに語った。

「ヨルダン川西岸地区に住んでいる家族もいれば、ヨーロッパに住んでいる家族もいます」。

ガザでは、キリスト教系の施設の入口やキリスト教徒の住居に加えてイスラム教徒の住居にもクリスマスツリーが飾られている。数千人が出席した式典では、YMCAが祝祭期間中の活動の一環として、庭園のクリスマスツリーの灯に点火した。

クリスマスツリーの灯は私たちキリスト教徒のコミュニティに、そして、ガザ地区のパレスチナ人コミュニティ一般に喜びを広げます」と、ガザのYMCAのハティー・ファラー事務局長はアラブ・ニュースに語った。

「私たちにはクリスマスを祝い、また、ガザ地区でクリスマス祝う人々に祝祭日であることを実感してもらう活動を行う必要があります。このクリスマスは私たちにとって特別な祝祭日ですが、すべての宗教に対しての平和のメッセージなのです」。

ガザ地区には約1,300人のキリスト教徒が暮らしており、そのほとんどがギリシャ正教徒でクリスマスを1月7日に祝う。一方、小規模なカトリック教徒のコミュニティ (ナショナルカトリックリポーターによれば133人程度) は西暦に従ってクリスマスを祝う。

ガザ地区に4つあるキリスト教系の学校の1つであるロザリー・シスターズ・スクールは、クリスマス期間、美しく飾られている。校庭の木は照明と色彩豊かな装飾で覆われ、本館校舎の中央部分と教室のドアにも装飾と照明が施されている。

「クリスマスは特別な行事です。私たちは毎年クリスマスを祝い、教職員たちも生徒たちも学校の誰もがこうした装飾に喜びを感じています」と、ロザリー・シスターズ・スクール校長のシスター・ナビラ・サレはアラブ・ニュースに語った。

クリスマスを迎えると、サンタクロースがキリスト教系の学校や他の施設を訪れてお菓子を配る。

イスラム主義グループのハマスがガザ地区を統制しており、クリスマスを公に祝うことを禁じてはいるが、キリスト教徒の自宅やキリスト教系施設で私的に祝うことは許されている。

ハマスの公式な代表団はキリスト教徒のコミュニティに祝辞を述べ、カトリックとギリシャ正教会それぞれの教会を訪問した。

ヨルダン川西岸地区とガザ地区では政府系、民間を問わずすべての機関や施設で12月25日と1月7日は公休日とされている。

クリスマスツリーや関連の装飾物は一部の店で入手可能で、キリスト教徒、イスラム教徒のいずれもが購入している。「当店のクリスマスの装飾のお客様のほとんどはイスラム教徒です」と、小売店主のマフムード・ハッジ氏はアラブ・ニュースに話した。

「私の子供たちはクリスマスツリーに灯をつけるのが大好きです」と、客の1人がアラブ・ニュースに語った。「私たちはイスラム教徒ですが、今は喜びの時で、世界の多くの国でそうであるように、私の子供たちにも喜びを感じて欲しいのです」。

「私の職場にはキリスト教徒の友人がいます。私たちはクリスマスもイード・アル=フィトルもイード・アル=アドハーも一緒に祝います。私たちは一つの民族なのです」。

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