
サードゥラ・アクター
クエッタ:モハメッド・イシャクさんは、彼の弟が今週初めにパキスタン南西部のバロチスタン州の遠隔地の村で激しい胸の痛みを経験した後、カラチまで高価な民間救急車を手配するために奔走した。
しかし、イシャクさんは、キラ・アブドゥラ地区の村から隣県の港町カラチまでの長い旅に出る前に、弟がバロチスタン州の州都クエッタのもっと近くにある新しい公立病院でも同等の治療が受けられることを発見した。
12万平方メートルの敷地に建設された120床を持つシェイク・モハメド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン心臓病研究所は、先月完成したばかりだ。UAEがアブダビ開発基金から2730万ドルを拠出して建設したこの施設は、今では複雑な手術にも対応できるようになっている。
「弟のアスマトゥッラーがひどい胸痛に襲われ、カラチに運ぶために救急車をレンタルしました」とイシャク氏はアラブニュースに語った。「しかし、親戚がクエッタに新しい心臓病施設があると教えてくれたので、私たちは水曜日の早朝に彼をここに連れて来ることにしました」
この病院は、5月に外来部門を開設し、6ヵ月後には血管形成術やより複雑な心臓手術を開始した。この施設の全面開業から26日間で、12件のバイパス手術と弁置換手術がそこで行われた。
12月20日に同病院で開心術を受けた、クエッタのナワキリ地区に住む60歳のアシフ・カーンさんは、4月に初めて心臓病と診断されて以来、以前は治療のために隣のシンド州のスックルまで2度足を運ばなければならなかったという。
「それから、12月の第1週に診察を受けるためにシェイク・ザーイド・アール・ナヒヤーン心臓病研究所を訪れました」と彼は述べた。「そして、医師から開心術もここで行えるという確証を得たのです」
この6ヶ月間この施設で働いているクザイマ・タリク医師は、この研究所はバロチスタンで唯一、あらゆる心臓の治療が可能な病院であると述べた。
「この医療施設は国の全4州に住む人々が利用できるようになっています」と彼女は述べた。
「心臓カテーテル検査室から始まり、ペースメーカーの装着、心臓切開手術まで、すべてがここで行えます。モジュラーシアターがあり、そこで心臓切開手術を開始しました」
タリク氏は、この施設での手術に補助金が出るかどうか、患者の負担額はいくらかについてのコメントを避けた。
彼女の同僚のモハメド・ハシム医師によると、現在、多くの患者が定期的に来院しており、近隣のアフガニスタンからも診察や治療のために多くの人が訪れているという。
「最近まで、バロチスタンの住民は質の高い心臓治療を受けることができなかったのです」と彼は述べた。「今まではカラチやスックルなどに出かけていた患者も、専門の医療従事者による適切な治療を受けられるようになりました」
もう一人の心臓病患者であるザフール・アハメドさんは、自宅の近くにようやく最先端の施設ができたことに安堵している、と語った。
「医師からスックルまで行くように言われましたが、ここからスックルまでの交通費はとても高いのです。とても遠かったですから」と、この施設のベッドからアハメド氏さんは述べた。「今、ここは近いし、1カ所ですべての設備が使えます」