
テルアビブ:イスラエルの次期首相となるベンヤミン・ネタニヤフ氏は、約2カ月にわたる連立交渉の末、12月29日(木)に新政権の採決を行うと、クネセトの議長が26日に発表した。
ネタニヤフ首相の率いる右派・宗教政党連合は、先月の議会選挙で明確な勝利を収めたが、ベテラン指導者の同氏はパートナーとの取引完了に予想以上の苦労を強いられた。
ネタニヤフ首相は、共に選挙戦を戦ったにもかかわらず、支持と引き換えに相当な権力を要求する協力者の要求に応えるため苦労することとなった。
国会での投票と新政府の正式な宣誓に先立ち、ネタニヤフ氏は正式に閣僚を発表する必要がある。
イスラエルの首相として最長任期となる同氏は、すべてのイスラエル人のための政治を行うと誓ったが、主要な省庁を強硬派が掌握する、同国の歴史上最も右派的な政府の1つを率いることになる。
「ユダヤの力」のイタマル・ベン・グヴィル党首が治安相として警察に関する権限を持ち、ベザレル・スモトリッチ氏率いる「宗教シオニスト党」がヨルダン川西岸でのユダヤ人入植地の拡大を認める広範な権限を持つことになる。
両者ともパレスチナの国家樹立に反対し、イスラエルの主権をヨルダン川西岸に拡大することを支持しており、パレスチナの指導者や米国、欧州政府が支持する2国家解決に新たな障害を加えるものである。
財務省はスモトリッチ氏と宗教政党「シャス」のアリエ・デライ氏が担当し、任期はそれぞれ2年となる見通しだ。デライ氏の就任は、脱税の前科があっても就任できるようにする法改正が議会の支持を得られるかどうかにかかっている。
リベラルなイスラエル人は、一部の企業が宗教上の理由でサービスを拒否することを認める、他の多くの連立政党の議員の発言にも警鐘を鳴らしている。
日々の政治の局外に立つ国家元首であるイツハク・ヘルツォグ大統領は25日、アイデンティティや価値観に基づいてイスラエル国民の権利を脅かすことは、イスラエルの民主的・倫理的伝統に反するものだと述べた。
「イスラエルの市民が、彼らのアイデンティティや価値観に基づく脅威を恐れる状況は、イスラエルの基本的な民主主義や倫理原則に反する」と、その役割の大部分が象徴的であるヘルツォグ大統領はツイッターに書き込んだ。
ロイター