
アラブニュース
ロンドン:アメリカ中央軍の報告書は、イランとシリアの各地の収容所で拘留されている人々は、ダーイシュにとって潜在的な軍隊となりうると警告した。
『タイムズ』紙の報道によると、イランとシリアの両国には約3万人の元ダーイシュ戦闘員が投獄または拘留されており、同組織は依然として地域にとって脅威となりうると軍の報告書は指摘した。
さらにシリア北東部のアルホルキャンプには2万5千人の子供や家族が収容されており、収容者の間で過激思想や原理主義が広がる中、ダーイシュの巻き返しを後押しする可能性がある。
「キャンプにいる子供たちは、ダーイシュによる過激化の恰好の標的である」と報告書は指摘する。「国際社会は協力しあい、キャンプの状況を改善しつつ、これらの子供たちを元いた国や地域に送り返すことで、このような環境から取り除く必要がある。イラクとシリアで拘留中の人々は文字通りの『ダーイシュの軍隊』である」
2022年1月にはダーイシュの残党が収容所に対して仕掛けた攻撃により、400人の戦闘員と120人のシリア民主軍兵士が殺害された。
「1月の脱獄事件は、これらの収容所がはらむ危険性を示している」とアメリカ中央軍は警告した。また、シリアでは統治の断片化によって権力の空白が生じており、弱体化したダーイシュに付け入る隙を与えていると指摘した。
米英の部隊を含む西側諸国の軍隊は、シリア北東部においてアドバイザーとしての役割を担うにとどまっている一方で、ダーイシュの標的に対しては選択的な作戦を仕掛け続けている。
報告書によると、米軍は今年に入ってシリアとイラクでダーイシュを標的とした313の作戦を実行しており、686人の戦闘員が死亡している。