エルサレム:パレスチナの旗を掲揚することに関して厳しくなったイスラエルの規制は、「人種差別を合法化する恥知らずな試み」だと人権団体のアムネスティ・インターナショナルは10日に述べた。
イスラエルの新しい扇動者、イタマル・ベングビール安全保障大臣は、公共の場で掲揚されているパレスチナの旗を取り除ける権限を幹部職員に与えるように8日に警察に命じた。
「わたしはイスラエル警察に、テロ組織と同一の身元を示す印となるパレスチナ解放機構(PLO)の旗を公共の場で掲げることを禁止するように指示しました」とベングビール国家安全保障大臣はツイッターに投稿した。
「我々は、我々が持てる全ての力をもってテロリズムとテロリズムの支援者たちと戦います」と彼は付け加えた。
11月の選挙で勝利を収めたあと、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は先月、重要な役職を極右派の仲間が占めた内閣を組織した。
そのなかにユダヤの力という政党の代表を務めるベングビール党首が含まれている。彼にはパレスチナ人をめぐる数々の扇動的な発言歴がある。
アムネスティはAFPに送った声明のなかで、今回の新しい措置を「抑圧的」かつ「国籍をめぐる人権、表現の自由、そして平和的な集会の自由に対する厚かましい攻撃」と呼んだ。
イスラエルおよび併合された東エルサレムでは、イスラエルの保安部隊がときおり暴力沙汰を誘発しながら、すでにパレスチナの旗を没収している。
昨年の5月、パレスチナにルーツを持つアメリカ人記者で、アルジャジーラのレポーターを長年勤めたシリーン・アブアクラが殺害されて執りおこなわれた葬儀では、警棒を振り回したイスラエル警察が、パレスチナの旗で覆われた棺の担ぎ手に殴りかかった。
パレスチナの旗を掲げることは違法ではないが、イスラエルの法律ではイスラエルの敵国やイスラエルの存在に仇をなすグループの旗を公共の場で掲げることは禁止されている。
「今回の指令の目的は、イスラエルに対する『扇動』をとめることにあるとイスラエル当局は話していますが、これもパレスチナ人の人権を守るための活動を含め、反対意見を述べる者の口を封じ、抗議活動を規制する目的で講じられた一連の措置の一つとして始められたものです」とアムネスティは述べた。
「今回の指令を出すために用意されたこんな茶番のような口実では、イスラエル当局がパレスチナ人の声を封じようと試みるなかで、ますます冷酷になってきている事実を覆い隠すことはできません」と声明には付け加えられている。
AFP