• アビブ・コチャビ中将は、ネタニヤフ首相が、占領地ヨルダン川西岸でのイスラエル支配を定着させようとするユダヤ人入植強硬派の活動家と結んだ連立協定に対して、いつになく厳しい目を向けた

エルサレム：イスラエルの退役陸軍長官は金曜日、ベンヤミン・ネタニヤフ首相の新連立政権が入植者支持派の議員により多くの権限を与え、他にも多くの変更をイスラエルの安全保障体制に加えようとしていることに対して警告し、新右派政権に対する批判の大合唱に加わった。

アビブ・コチャビ中将は、退任の数日前に行われたイスラエルの報道機関との数回のインタビューにおいて、ネタニヤフ首相が、占領地であるヨルダン川西岸地区におけるイスラエル支配を定着させ国防省を再編して特殊準軍事警察部隊を指揮しようとするユダヤ人入植強硬派の活動家と結んだ連立協定に対して、いつになく厳しい目を向けた。

コチャビ氏はイスラエルのニュースサイトであるYネットに対して、「これは被害をもたらし、戦争への準備に悪影響を及ぼす可能性が高い」と語った。

この連立協定がイスラエル社会の多くの層から激しい怒りを買っている一方で、コチャビ氏の懸念には深い意味がある。

ユダヤ系イスラエル人の間では、軍は安定の象徴であり、この国でもっとも信頼されている機関のひとつと考えられている。

コチャビ氏は特に、ヨルダン川西岸地区に3つの独立した権力源を設けるという連立政権の計画について、懸念を表明している。

ネタニヤフ首相がベザレル・スモトリッチ氏と結んだ協定は、イスラエルが文民統制を維持しているヨルダン川西岸地区の一部において、イスラエル人の入植とパレスチナ人による建設の計画を規制するイスラエル軍の機関の統制権を、強力な右派財務大臣に与えるものである。

スモトリッチ氏は、パレスチナ人が望んでいる独立国家のために、ヨルダン川西岸地区の一部を完全に併合することを提唱している。

「（ヨルダン川西岸地区に）2つの司令部があることはありえません」とコチャビ氏は述べた。「我々が分離するのは良いことではなく、被害をもたらし、あらゆる住民の状況を悪化させることになるかもしれません」

イスラエルは1967年に、ガザ地区や東エルサレムとともにヨルダン川西岸地区を占領した。そこはパレスチナ人が将来国家を建設しようとしていた領土である。

イスラエルは数十ものユダヤ人入植地を建設し、約50万人のイスラエル人を約250万ものパレスチナ人とともに住まわせている。

国際社会の大半は、イスラエルのヨルダン川西岸地区の入植地は違法であり、パレスチナ人との和平の障害であると考えている。

コチャビ氏が懸念するもうひとつの動きは、ネタニヤフ首相が右派のイタマル・ベングビール議員と合意したことである。ベングビール氏の見解は、軍が彼に兵役義務を課すことを禁じたほど極端であり、ヨルダン川西岸における軍の指揮系統を損なう可能性がある。

ベングビール氏は国家安全保障相として、これまでヨルダン川西岸地区でイスラエル軍の下で活動してきた準軍事組織である国境警察に対する権限を与えられた。

コチャビ氏は聖書に出てくる名前でヨルダン川西岸地区に言及し、「国境警備隊がユダヤとサマリアで行っている仕事は素晴らしいものであり、今日のような状況が続くことを願っています。権力の連鎖は維持されなければなりません」と述べた。

コチャビ氏は他のインタビューでも、ネタニヤフ首相に2度電話をかけて、連立政権の動きが防衛体制の結束に及ぼす広範な影響について警告したと述べている。

ネタニヤフ首相は、国民のみならず米国とイスラエルの欧州とアラブの同盟国に対して、極右閣僚のいかなる変更に対しても拒否権を持つことを保証しようとしてきた。

しかし批評家の意見では、今のところ連立相手を抑制できていない。

4年近く参謀総長を務めたコチャビ氏は、来週ヘルジ・ハレヴィ少将にその座を譲ることになっている。

AP