
バグダッド:ロケット弾3発が日曜日、首都バグダッドの米国大使館に向けて撃ち込まれ、ここ数か月間の攻撃の中で初めて直撃弾が報道される事態となっている。一方、国内各地では数千人の抗議者が反政府の座り込みを続けている。
この攻撃は、ここ数か月間多発してきた米国大使館や米軍が配備されているイラクの軍事基地を標的としたロケット弾攻撃が、さらに危険さを増していることを示すものとなった。
これまでのロケット弾攻撃の犯行声明は出されていないが、米政府は親イラン武装勢力イランの犯行として繰り返し避難してきた。
治安当局筋がAFPに語ったところでは、日曜日の夕食時にロケット弾の1発が大使館の食堂に命中、2発のロケット弾が付近に着弾した。
イラクの高官はAFPに少なくとも1人が負傷したと伝えたが、負傷の程度や、負傷者が米国人か大使館のイラク人職員なのかは不明である。
米国大使館は、コメントの要請に対して返答しなかった。
米国務省は日曜日遅く、イラク政府に「外交施設を保護する義務を果たす」よう求めた。
攻撃はこれまでよりも早い時間に行われ、AFPの記者は午後7時30分(GMT午後4時30分)ちょうどにチグリス川西岸に衝撃音を聞いている。。
イラクのアデル・アブドルマハディ首相およびムハンマド・ハルブシ国会議長の両者は、国を戦争に引きずり込む危険を持つものだと述べ、攻撃を非難した。
イラクは先月からすでに、米国とイランの憂慮すべき報復合戦に引き込まれている。
イラク北部の基地への同様の攻撃では米国の請負業者一名が死亡、米国はカタイブ・ヒズボラと呼ばれる親イラン勢力を空爆して報復した。
それから一週間を経ずして、米国はバグダッド空港付近でドローン爆撃によりイランのガセム・ソレイマニ司令官を殺害、イランは米軍が駐留するイラク軍基地に向けて弾道ミサイルを発射して報復した。
約5,200人の米国人が、イラクに駐留してイスラム国の武装組織と戦う世界的な連合の先頭に立っているが、バグダッドにおける米国の軍事攻撃は、米国人の退去を求める呼びかけに、多くのイラクの有力者たちが賛同する事態を招いている。
極度に反米的な聖職者のムクタダー・サドル師が金曜日にバグダッドで開催した大規模な集会では、彼の支持者数千人が米軍の退去を求めた。
サドル師は以前、議会と主要閣僚のポストにおいて最も多数の連合を支配する一方で、イラクの首都と南部を席巻する独立した反体制抗議を支援していた。
金曜日の自身による抗議行動からい勢いを得て、サドル師は、10月以来イラクを揺るがせている若者主導の改革運動への支援をやめると発表した。
反政府デモ参加者の中で最もよく組織化され、動員力も大きいグループと広く見なされていたサドル師の支持者たちだったが、彼の発表を受けてすぐにテントを解体し、家に帰り始めた。
彼らは、サドル師の政治的保護がなくなれば、当局が彼らの運動を潰すために動くのではないかと恐れたのだ — 事実、数時間も経たないうちに機動隊が抗議者たちのキャンプを急襲している。
機動隊側の取り締まりは日曜日も続き、治安部隊は実弾と催涙ガスを使用して、抗議者たちを彼らが何か月も占拠していた広場や通りから追い出そうとした。
抗議者の1人がバグダッドで、もう1人が最初に抗議行動に火が点いた南部都市、ナシリヤで射殺されたと医療関係者は語る。全国各地でさらに数十人が負傷している。
バグダッドでは機動隊が、タハリール広場の中心的な抗議者キャンプ周辺の道路から抗議者たちを排除しようとしているが、その象徴的な意味を持つエリアにはまだ入れておらず、テントが解体された後もまだ多くの抗議者たちが残っている状態だ。
真夜中を過ぎた時、ナシリヤで、未知の襲撃者がハブビ広場の主要な抗議キャンプを襲い、テントに放火した。炎が夜空を照らした、と現場からAFP特派員は報じている。
暴力的措置が再び取られたにもかかわらず、何千人もの学生が、彼らの要求に国民の関心を向けさせるため、バグダッドおよびイラク南部各地の街路にあふれた。
「ただあなたのために、イラク!」神殿都市カルバラで若い抗議者が掲げるプラカードに書かれた言葉が、政党や外部の支援者とは連携しないというこの運動の主張を示唆していた。
AFPの特派員によると、バスラでは、何百人もの学生が集まって、前日、機動隊が主要抗議キャンプを解体したことを非難した。
今回の若者主導の抗議行動は、10月1日に、仕事の不足、劣悪なサービス、蔓延する腐敗に対する怒りの爆発から発生し、暴力的対応を受けた後、政府自体の徹底的な見直しを求める呼びかけへと展開していった。
抗議集会が始まって以来、470人以上が亡くなっており、その大多数がデモ参加者たちである。
抗議者たちは今、迅速な選挙実施、独立した首相の任命、そして汚職や最近の流血事件の関係者たちの訴追を要求している。
AFP