
バグダッド:イラク首相は先月31日、新たな銀行規制により、自国から行われた不正なドル取引が明らかになったと述べた。新しい規制と同時に、現地通貨価値の下落が起こったためだ。
イラクはここ数ヶ月、SWIFTとして知られる国際的な電子送金システムに銀行制度を準拠させるべく取り組んできた。ムハンマド・シア・アル・スダニ首相は、新たな規制について「銀行制度の真の改革」と歓迎する一方で、特に輸入のための外貨決済における「偽造請求書、不正に流出している資金」を非難した。
「それが現実です」と、国営テレビのインタビューで首相は語った。
SWIFTシステムの採用は、透明性を高め、マネーロンダリングに対処し、対イランや対ロシアで行われているような国際制裁の実施を支援するためのものだった。
スダニ首相の顧問は、11月中旬以来、米国に預けられているドル資金へのアクセスを希望するイラク銀行は、電子システムを使って送金しなければならないと述べていた。
送金依頼を受けた米国の連邦準備制度(FED)はそれを精査し、疑わしいと判断した場合にはブロックする。
顧問によると、FEDはこれまでのところ、資金の最終受取人への懸念から送金依頼の80%を拒否しているという。
新しい規制の導入以前は、「1日に2億ドルか3億ドルの取引がありました」とスダニ首相は述べた。
「現在、中央銀行が出しているのは3千万ドル、4千万ドル、5千万ドルです。1日に3億ドルも、一体何を輸入していたのでしょうか」と首相は疑問を呈した。
「全く理解できない価格で(イラクに)入ってきていた製品があります。明らかに、その目的はイラクから外貨を持ち出すことでした」と彼は述べた。「これは終わらせなければなりません」
資金はイラクのクルディスタン自治州に運ばれ、「そこから近隣諸国に持ち出されていた可能性があります」とスダニ首相は述べた。トルコ、イラン、または戦争で疲弊したシリアを指しているのかどう
かは特定しなかった。
首相は、イラク中央銀行と米国金融当局の間の合意に従って、新たな規制は2年前から計画されていたと述べ、その実施が過去に失敗していたことを嘆いた。
40年にわたる戦争と混乱を乗り越えようとしているイラクは、蔓延する汚職に悩まされている。
公式の為替相場は、政府によって1ドル=1,470ディナールに固定されている。だが、ドル不足の中、先月31日の非公式市場では1,680ドル前後で取引されていた。
この下落は、自分たちの購買力に不安を感じるイラクの人々の間に、散発的な抗議行動を引き起こしている。
新しい仕組みと流動的な為替相場について議論するため、フアード・フセイン外相と新しい中央銀行総裁が2月7日にワシントンに向かう代表団に加わることになる、とスダニ首相は述べた。
AFP