• 複数発の弾丸を受けたスリム氏の遺体が発見されたのは、レバノン南部のイランが支援するヒズボラの活動拠点で、スリム氏はその活動を激しく非難していた。

ジュネーブ：2年前にあったレバノン人の知識人ロクマン スリム氏殺害に関する調査が遅々として進まないことに対し、国連人権専門家から2日に深い懸念の声が上がり、レバノン政府が説明責任を果たすことを要求した。

「レバノン当局には、この凶悪犯罪を徹底的に調査し犯人を法に照らして裁く義務があります」と4名の独立した専門家は言う。

「素早く効果的な調査活動に失敗した場合、それ自体が生存権の侵害になります」

シーア派の家に生まれた世俗の活動家で、当時58歳だったスリム氏は、2021年2月4日所有する車の中で死亡しているところを発見された。スリム氏の家族によって行方不明であると報告があってから1日後のことだった。

複数発の弾丸を受けた遺体が発見されたのは、レバノン南部のイランが支援するヒズボラの活動拠点で、スリム氏はその活動を激しく非難していた。

超法規的殺人・裁判官及び弁護士の独立・言論の自由・人権擁護者の境遇を調査する国連特別調査委員による声明では、暗殺の責任者が一人も特定されない事実に怒りを露わにしていた。

「スリムさんの死を取り囲む状況に光を当て、暗殺の関係者を法の下で裁くこともまた、言論の自由を守るレバノンの義務の一部です」と、国連人権理事会により任命された専門家たちは、国連を代表せずに発言した。

「免責の文化はスリムさんの殺人犯を勇気づけるだけではなく、他の活動家に自己検閲を促すようなゾッとするメッセージを送ることになるので、市民社会に対し萎縮効果をももたらすことになるでしょう」と専門家たちは言う。

不法殺害の調査は「独立していて公平で、即時的・徹底的・効果的で、信頼でき透明性がある」調査でなければならないと専門家たちは強調した。

「これまでのところレバノン当局は、進行中の調査が、関係する国際的基準に従ったものであるという姿勢を全く見せていない」と専門家たちは警告し、当局が調査を加速させ「責任者に遅滞なく説明責任を負わせることを確実にする」ことを要求した。

「スリムさんのご家族は、司法へのアクセスと真実を知る権利と十分な補償とを、迅速に手にしなければなりません」

AFP