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衛星写真:ドローンで攻撃され被害を受けたイラン軍事施設

Planet Labs PBCによるこの衛星画像の中央に、ドローン攻撃を受けたことにより屋根が損傷したイランの軍事施設が写っている。イランのイスファハンにて、2023年2月2日木曜日。(AP)
Planet Labs PBCによるこの衛星画像の中央に、ドローン攻撃を受けたことにより屋根が損傷したイランの軍事施設が写っている。イランのイスファハンにて、2023年2月2日木曜日。(AP)
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04 Feb 2023 03:02:23 GMT9
04 Feb 2023 03:02:23 GMT9
  • 攻撃の様子を撮影した動画には、ビルの屋上に到達したドローンの1機からと思われる対空砲火が、ドローンを狙った後に現場で爆発する様子が映っている。イラン軍は他の2機のドローンを、現場に到着する前に撃墜したと主張している

テヘラン:AP通信が分析した衛星写真には、イスラエルのドローンに狙われたとイランが説明している軍事施設が受けた被害が写っており、両国間の影の戦争における最新の攻撃となった。

イランはこの施設で何を製造していたのかまだ説明していないが、今回のドローン攻撃はこの地域の緊張を再び高める恐れがある。すでに、イラン政府がこれまで以上に兵器級レベルに近いウラン濃縮を行っていることに対する懸念が高まっており、国連の核問題担当高官は、イラン政府がその気になれば「数発」の原子爆弾を製造できるだけの燃料があると警告している。

一方、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、首相在任中にイランを標的とした攻撃を激化させていたが、首相に復帰し、イラン政府を自国の安全保障上の最大の脅威とみていることを改めて表明した。米国務省のネッド・プライス報道官は、イランが世界列強との核合意に復帰する機会を「殺した」と宣言しており、どのような外交をすればイラン政府と西側諸国の緊張を直ちに緩和できるのかは不透明なままである。

1月28日の夜、イランが爆弾を搭載したクアッドコプターと称する攻撃を受けて以来、曇天のため現場の衛星写真は撮影できていなかった。4つのローターがあることからその名がついたクアッドコプターは、通常、遠隔操作で近距離から作動させる。

今回の攻撃の様子を撮影した動画には、ビルの屋上に到達したドローンの1機からと思われる対空砲火がドローンを狙った後に、現場で爆発する様子が映っている。イラン軍は他の2機のドローンを、現場に到着する前に撃墜したと主張している。

Planet Labs PBCが2日に撮影した画像には、テヘランの南約350kmにあるイランの中心都市イスファハンにある施設が写っている。

APによる画像の分析では、以前の施設の画像と比較して、建物の屋根が損傷したことを確認した。この被害は、攻撃直後にイラン国営テレビが放映した、建物の屋根に少なくとも2つの穴が開いている映像に対応するものであった。

イラン国営テレビの映像や衛星写真は、この建物の屋根もいわゆる「スラットアーマー」で造られていた可能性を示唆している。

その構造は、標的に対するロケット、ミサイル、あるいは爆弾を搭載したドローンが、直接爆発するのを阻止するために、屋根や装甲車の周りに設置されたケージに似ている。

そのような防護装置が設置されているということは、イランはこの施設がドローンの標的になる可能性があると考えていたことを示唆している。

イラン情報省は7月、イスファハン周辺の機密施設を標的とした計画を阻止したと主張した。

10月にイラン国営テレビで放映された番組では、イランから亡命して現在はイラクに住むクルド系反体制左派政党「コマラ」のメンバーとされる人物が、イスラエルのモサド情報機関から訓練を受けた後、イスファハンの軍事航空宇宙施設を標的とする計画を立てていたと告白する場面があった。

今回のドローン攻撃の標的となった軍事施設が、その航空宇宙施設であったかどうかは不明なままである。

イランの国連機関に、その施設の衛星画像などに関する質問についてコメントを求めたが、即答は得られなかった。

今回の攻撃により、イランの神権政治は国内外で課題に直面することになる。

イランの道徳警察に拘束されていたクルド系イラン人女性のマフサ・アミニ氏が9月に死亡して以来、全国的な抗議行動がイランを揺るがしている。

イランの通貨リアルは急落し、対米ドルで最安値を更新した。

イスラエルは、2021年4月にイランの地下核施設ナタンズを攻撃して遠心分離機を損傷させるなど、イランに対して一連の攻撃を仕掛けた疑いがある。

イランは2020年、イスラエルによる高度な攻撃でイランのトップクラスの軍事核科学者が殺害されたことに対して、イスラエルを非難した。

イスラエルは今回のドローン攻撃についてコメントしていない。

しかし、イスラエル当局が同国の秘密軍事部隊やモサドによる作戦を認めることはまずない。

イランのアミール・サイード・イラヴァニ国連大使は、2日に公開した書簡で、「初期の調査において、この侵略行為の企てはイスラエル政権に責任があることが示唆されている」と述べている。

しかしこの書簡では、イランの疑惑を裏付ける証拠について詳しく説明されていない。

AP

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