アラブニュース

• 亡命したノーベル賞受賞者の元判事が発言
• 革命は「止まらない列車」だと語る

ジェッダ：イランの若いクルド人女性が拘留中に死亡したことに対するイラン国内の抗議行動は、最終的に政権の崩壊につながる不可逆的な「革命的なプロセス」の始まりであると、イラン政府をもっとも雄弁に批判する者の1人が3日に述べた。

イランの著名な弁護士でありロンドンに亡命中のシリン・エバディ元判事は、この抗議行動はイランの聖職者組織の正当性に対するこれまででもっとも大胆な挑戦であると述べた。

人権擁護の活動で2003年にノーベル平和賞を受賞した75歳のエバディ氏は、「この革命的なプロセスは、最終目的地に着くまで止まらない列車のようなものです」と語った。

彼女はロンドンから、ロイターの電話インタビューに対して「抗議行動は形を変えてはいますが、終わったわけではありません」と語った。

「不適切な服装」を理由に逮捕されていたマフサ・アミニ氏が、昨年9月16日に道徳警察に拘留されたまま死亡して以来、イランの聖職者支配層は広範な暴動に直面している。

2023年2月3日に投稿されたUGCの動画から取ったこの画像に写っているのは、イラン南東部の都市ザーヘダーンで政治犯の釈放を求めてデモ行進をする抗議者たちの姿であるという。（AFP）

イランはアミニ氏の死を既存の医療問題のせいにし、政権を不安定にするために暴動を煽っているのだと敵を非難している。

イランでは何ヶ月にもわたって、あらゆる階層の人々が最高指導者アヤトッラー・アリ・ハメネイ師に対するスローガンを唱え、聖職者体制の崩壊を求めてきた。

アミニ氏の死は、経済的な困窮や少数民族への差別から、社会的・政治的な規制の強化に至るまで、多くのイラン人の間で長年にわたる怒りを解き放った。

イランの強硬な支配者は、過去40年間において抗議行動に直面してきたときのように、厳しく取り締まりを行った。当局は抗議行動に関与した数十人に死刑判決を下し、少なくとも4件の絞首刑を執行した。人権活動家によると、これは人々を威嚇し、路上で抗議行動をさせないようにすることを目的とした弾圧であるという。

イラン政府による2015年の核合意の復活に向けた交渉が世界列強との間で行き詰まっている中、今回の弾圧は外交的緊張を煽ることになった。

人権団体のHRANAによると、暴動中に527人もの抗議者が殺害され、そのうち71人が子どもであり、そして2万人近くの抗議者が逮捕されたという。

しかし、絞首刑が始まって以来、抗議運動はかなり鈍化している。ソーシャルメディアに投稿された動画には、一部の都市で屋上から「ハメネイ師に死を」と叫ぶ人々の姿が映っていたが、過去数ヶ月の規模に比べれば大したことはない。

エバディ氏は、国家が致命的な暴力を行使することは、一般のイラン人が聖職者体制に対して感じている怒りを深めることになると指摘した。彼らの不満が解決されないままであるからである。「抗議行動は形を変えてはいますが、終わったわけではありません」とエバディ氏は述べている。

イラン政府による2015年の核合意の復活に向けた交渉が世界列強との間で行き詰まっている中、今回の弾圧は外交的緊張を煽ることになった。

現政権を退かせるべく、西側諸国はテヘランから大使を呼び戻すなど「現実的な措置」を取るべきであり、核合意を含めイランとのいかなる合意も避けるべきだと、エバディ氏は述べている。 

イラン政府の核開発問題をめぐる米国の制裁をおもな理由として、経済的な窮状が深刻化し、インフレの急騰と失業率の上昇に多くのイラン人が痛みを感じている。

インフレ率は50%を超え、ここ数十年でもっとも高くなっている。イラン統計センターの報告によると、若者の失業率は依然として高く、イラン人の50%以上が貧困ライン以下に追い込まれている。

（ロイターとの共同取材）