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ハンストでやつれたイラン人受刑者の画像が怒りを駆り立てている

ハンガーストライキを行っていると報じられている服役中のイラン人活動家ファラハド・メイサミ氏が、イランのカラジにあるラジャイ・シャフル刑務所にいる。2023年2月2日に公開されたソーシャルメディアの画像。(ロイター)
ハンガーストライキを行っていると報じられている服役中のイラン人活動家ファラハド・メイサミ氏が、イランのカラジにあるラジャイ・シャフル刑務所にいる。2023年2月2日に公開されたソーシャルメディアの画像。(ロイター)
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04 Feb 2023 08:02:57 GMT9
04 Feb 2023 08:02:57 GMT9
  • クルド系イラン人女性マフサ・アミニさんが警察に拘束され9月16日に死亡した後、イランは騒乱に揺れている。今回の騒乱は、1979年のイラン革命以来となる、イランに対する最大級の挑戦となっている。

テヘラン:ハンガーストライキをしている反体制派のイラン人受刑者のやつれた姿だとされるソーシャルメディアの画像が、ネット上で怒りを引き起こしている。支持者らは3日、彼は命の危険を冒してヒジャブの強制着用に抗議していると警告した。

イランのヒジャブ着用指針に抗議する女性活動家らを支援したとして2018年から収監されているファルハド・メイサミ氏(53)は、政府が最近、デモ参加者を殺害していることに抗議するため、10月7日にハンストを始めた。

メイサミ氏の画像がソーシャルメディアで広まったのは、受賞歴のある映画監督のジャファル・パナヒ氏が7カ月間収監された後、保釈されたのと同じ日だった。パナヒ氏は「メイサミ氏の画像を見て、アウシュビッツ強制収容所の生存者を思い起こした」と話した。

イラン司法府は、ハンストが行われているという主張を否定し、その写真は医師であるメイサミ氏が4年前にハンストを行ったときのものだと主張した。

その証拠として、半国営の若手記者クラブ(YJC)は、メイサミ氏の最新の写真だとされるものを掲載した。やつれた様子もなく、監房の床に座っている写真だった。彼の横にはポテトチップスの袋のようなものが置かれていた。

ロイターはその写真の撮影日時を確認できなかった。

パナヒ氏が今週、再審までの保釈を求めてハンストを始めたのを受け、イラン当局は同氏を保釈した。半国営のイラン学生通信(ISNA)が、イラン監督組合を引用して報じた。

イラン司法府は保釈に関する公式発表を行わなかったが、ソーシャルメディアの動画には、エビン刑務所の外で支持者と話をするパナヒ氏の姿が映っていたとされている。

「ファルハド・メイサミ氏の画像を見て……アウシュビッツにいた人や(マハトマ・)ガンジーを思い起こした。メイサミ氏は非暴力について書いているからだ」とパナヒ氏は話した。「多くの人が刑務所に残っている……だから、うれしいとは言えない」

イラン当局は7月、6年の懲役刑を執行するためにパナヒ氏を拘束した。裁判所が「体制に対するプロパガンダ」を広めた罪で最初にその刑を命じたのは2010年だった。10月、イラン最高裁はその判決を破棄し再審を命じた。

クルド系イラン人女性マフサ・アミニさんが警察に拘束され9月16日に死亡した後、イランは騒乱に揺れている。今回の騒乱は、1979年のイラン革命以来となる、イランに対する最大級の挑戦となっている。

風紀警察は、女性に控えめな服装とヘッドスカーフの着用を求める指針に逆らったとしてアミニさんを拘束した。抗議デモにおいて、女性は主要な役割を果たしており、多くの人がヘッドスカーフを振り回したり燃やしたりしている。

人権団体によると、500人以上のデモ参加者が殺され、約2万人が逮捕されたという。イラン司法府によると、少なくとも4人が絞首刑に処せられた。

「依頼人であるファルハド・メイサミ氏の命が危ない」とモハンマド・モグヒミ弁護士はツイッターに投稿した。「彼はハンガーストライキに入った。政府が最近、街頭でデモ参加者を殺害していることへの抗議だ。彼は52キロやせてしまった」

画像には、病院のベッドのようなものの上で丸くなっているメイサミ氏と、立っている同氏の突き出た肋骨が写っている。

米国のロバート・マレー・イラン担当特使はツイッターに「女性の権利を勇敢に擁護し、刑務所でハンストを行っているファルハド・メイサミ博士の衝撃的な画像」と投稿した。

「イラン政府はメイサミ氏や他の数千人の政治犯に権利と自由を不当に与えてこなかった。イラン政府は今、不当に彼の命を脅かしている」と同氏は訴えた。

アムネスティ・インターナショナルは「(メイサミ氏の)これらの画像は、イラン当局が人権を軽視していることを示す衝撃的な画像だ」と発表した。

BBCペルシャ語放送が2日に公開した手紙の中で、メイサミ氏は3つの要求をした。死刑執行の停止、政治犯になった市民の釈放、「ヒジャブ強制ハラスメント」の停止だ。

「私は不可能な任務を継続する。この任務が皆の努力で後々可能なものになることを期待している」と同氏は書いた。

ロイター

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