
イスタンブール:欧米の在外公館は、先週トルコで安全に関する警戒情報を出し、領事館を一時閉鎖したことの「代償を払う」ことになる、とトルコのタイップ・エルドアン大統領が発言した。
一方、警察は5日、ダーイシュの容疑者15人を拘束したが、外国人に対する深刻な脅威はなかったと発表した。
トルコ政府は2日、9カ国の大使を呼び出し、在外公館を一時閉鎖し、安全に関する警戒情報を出した決定を批判した。
トルコ当局者はその翌日、米国やドイツなど欧米諸国が、安全に関する脅威主張を裏付ける情報を共有していないと述べていた。
事前収録され、5日に放送された若者とのミーティングで、エルドアン氏は次のように発言した。「先日、我が国の外務省は全員を呼び出し、必要な最後通牒を行った。『このまま続けた場合、大きな代償を払うことになる』と」
欧米のいくつかの国は、閉鎖の際に、トルコ国内の在外公館や非イスラム教徒の礼拝所への攻撃のリスクが高まっているとして自国市民に警戒情報を出した。
ここ数週間の欧州での一連の極右デモで、イスラム教の聖典コーランを燃やす事件が数件起きたことを受けてだ。
先月、トルコはストックホルムでコーランが燃やされた抗議デモを受け、スウェーデンとフィンランドのNATO加盟交渉を停止した。
エルドアン氏は、欧米諸国は「時間稼ぎをしている」と述べ、6日の閣議で「必要な決定」がなされると発言したが、詳細には言及しなかった。
「具体的な脅威はない」
5日、これより前に、警察は、領事館や非イスラム教徒の礼拝所を狙ったとして拘束されたダーイシュの容疑者15人について、外国人に対する具体的な脅威の証拠は見つからなかったと発表した。国営メディアが報じた。
アナドル通信社は、イスタンブール警察の声明を引用し、容疑者が「スウェーデンとオランダの領事館や、キリスト教とユダヤ教の礼拝所を標的とする行動を実行するよう指示を受けていた」と伝えた。
容疑者とジハード主義グループとのつながりは確認されたが、外国人に対する具体的な脅威はみつからなかった、と声明は述べている。
メヴリュット・チャヴシュオール外相は4日、トルコがテロ活動を行っていると非難する団体に対する、トルコが言うところのスウェーデンの不作為に対する不満を繰り返した。
NATOへの新規加盟は、現加盟国30カ国すべてが承認する必要がある。
トルコとスウェーデン、フィンランドの北欧二カ国は6月、後者のNATO加盟申請をトルコが反対しないことを目的とする協定に署名した。
北欧二カ国は、1984年にトルコ国家に対する武装闘争を初めて実行し、非合法化されているクルド労働者党(PKK)の国内のメンバーを主な対象として、より強硬な方針をとることを誓っている。
ロイター