• イラン政権、「虐殺を否定し、偽情報を流布し、対抗勢力を抹殺」
• イラン当局は「何十年もの間権力を掌握し続けてきた…完全な刑事免責を伴って」

アラブニュース

ロンドン：イラン政権は一連の虐殺を組織的に隠蔽しつつイラン・イスラム共和国建国44周年の恥ずべき祝賀を行うと、アムネスティ・インターナショナルが月曜日に発表した。

アムネスティによる報告書では、1988年の刑務所内での虐殺の隠蔽に関与した重職にある当局者が「偽情報の流布による処罰をいかにして回避したかが詳述され、イランの現政権が「類似の方策によりイランの犯罪に対するの国際的な取り組み」を弱体化させようとしているとの警告を発している。

イラン政権は、「虐殺を否定し、偽情報を流布し、恐怖に次ぐ恐怖への国際的な捜査を妨害」し、「あらゆる形の対抗勢力を抹殺」することを目的としていると、アムネスティは付け加えた。

アムネスティは、大虐殺の隠蔽に関与した人々を裁判にかけようと長期にわたって組織的な活動を行ってきた。

アムネスティの報告書には、隠蔽に関与した当局者のリストが掲載されている。

特に元国連大使のモハンマド・ジャファル・マハラティ氏は、虐殺への国際的対応の弱体化工作の一端を担ったと名指しされている。

マハラティ氏は、1988年11月、国際報告者との会合で、大量処刑の報告を否定し、「数多くの殺戮は戦場で起こった」と虚偽の主張を行ったと、アムネスティは述べている。

アムネスティの中東・北アフリカ担当副局長のダイアナ・エルタハウィ氏は、「何十年もの間、イラン政府と世界中に展開しているその外交担当者たちは、否定と偽情報による工作活動を調整し、駆使し、国際社会に誤解の輪をひろげ、被害を受けた人々や社会から真相を知る権利を奪ってきました」

「イランの外交官が政権から受けた指示の内容と出所を明かし、1988年の刑務所での虐殺の隠蔽への寄与をやめるべき時が来ました。隠蔽は刑事免責を恒常化し、生存者と親族の苦しみを一層深めるだけです」

アムネスティの報告書は、1988年の刑務所での虐殺の隠蔽と昨年9月に勃発した全国規模の抗議行動への政権の対策に類似点を見出している。当局者は、「新世代の抗議行動参加者たちの信用を失わせるべく類似した手口を用いています」

アムネスティは、「在ジュネーブのイラン当局者は、抗議行動参加者の死のすぐ後に、長い状況説明資料を配布し、抗議行動参加者の殺害を『雇われたテロリスト』や『自殺』、『事故』としたり、または、何人かの犠牲者についてはその死自体を疑問視してみせたりしました」と、述べた。

エルタハウィ氏は、イラン当局は「恐怖に次ぐ恐怖を与えつつ、完全な刑事免責で守られ、何十年もの間権力を掌握し続けてきたのです」と語った。

「イラン当局者たちは、1980年代に超法規的な殺害後無記名の墓地に投棄した何千人もの反体制活動家たちの悲運と行方を組織的に隠蔽し続けています」

「イラン当局者は、集団墓地を隠し、破壊し、真相や公正さ、補償を求める生存者や親族に嫌がらせや脅迫をしているのです」

「こうした犯罪は過去の遺物ではありません。今回の抗議行動を取り巻く恐ろしい流血の波、抗議行動参加者たちの恣意的な処刑や彼らへの死刑判決、そうした状勢の最中の建国44周年記念なのです」

「犯罪に関与したイラン当局者を国際法の下で公正な裁判にかけるために世界の国々が国際的な行動を即座に起こす必要性を、現在の状況は強く示しています」