エルサレム:エルサレム郊外で10日、パレスチナ人が運転する車がバス停にいた人たちに突っ込み、子供1人を含むイスラエル人2人が死亡した。イスラエル警察が発表した。
ボランティア救護団体「ユナイテッド・ハッツァラー」の医療スタッフであるアリエルベン・デイビット氏はアーミーラジオに次のように話した。「全員倒れていて、跳ね飛ばされていて、非常に悪い状態だった。残念ながら子供1人は助からなかった」
東エルサレムから来た運転手(31)は事件現場で警官に射殺されたと警察は発表した。
ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、この事件をテロ攻撃とみなし、治安部隊の増強を命じた。米国のパレスチナ問題担当局は、激化を防ぐために双方と協力していると発表した。
先月、銃を持ったパレスチナ人の単独犯がシナゴーグの外で7人を殺害した事件の後、イスラエルでは治安に対する不安が高まっていた。そんな中、今回の事件は起きた。
イスラエル軍はここ数カ月、占領地ヨルダン川西岸地区で毎日のように急襲作戦を行い、数百人を逮捕している。その中で、パレスチナ人武装勢力との血みどろの銃撃戦が行われた。
今年、少なくとも42人のパレスチナ人が殺されている。武装勢力や民間人などだ。
国連、米英独、その他の国々は10日の攻撃を非難した。
アントニー・ブリンケン米国務長官は声明で「罪のない一般市民を故意に狙ったことに嫌悪感を覚えている。許しがたい」と述べた。
ガザ地区を支配するパレスチナのイスラム武装組織ハマスは、この攻撃を「英雄的な作戦」と称賛したが、犯行声明は出さなかった。
6歳の少年と20歳の男性が死亡した。その少年の兄(8)は重傷を負ったとN12ニュースが報じた。保健当局は他の4人が負傷したと発表した。
映像には、ラモット地区にあるバス停の前の柱に衝突した青い車が映っていた。同地区は、1967年の中東戦争の後、イスラエルに併合されたエルサレムの一部だ。この併合は国際的には承認されていない。
イスラエルの極右の国家治安相であるイタマル・ベングビール氏は、事件現場で怒れる群衆に迎えられ、取り囲まれた。「テロリストに死を!」と叫ぶ人たちもいた。ベングビール氏は、東エルサレムにある「テロリストの温床」と同氏が呼ぶものに対する作戦の計画を立てるよう警察に命じたと述べた。
加害者の親族10人が逮捕されたと警察は発表した。映像には、暴徒鎮圧用の装備をした警官が手錠をかけられた人たちを家から連れ出す様子が映っていた。
ヨアヴ・ギャラン国防相は、パレスチナ自治政府が東エルサレムのパレスチナ人の元治安囚・服役中の治安囚87人とその家族に支払った数百万シェケル相当の資金を没収するよう命じたと述べた。
ロイター