Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • イーロン・マスク氏、各国政府関係者に「一つの文明による世界」を推進する危険性を指摘する

イーロン・マスク氏、各国政府関係者に「一つの文明による世界」を推進する危険性を指摘する

「単一の文明による世界」に警鐘を鳴らすビジネス界の有力者イーロン・マスク氏(ANフォト/モハメド・ファウジー)
「単一の文明による世界」に警鐘を鳴らすビジネス界の有力者イーロン・マスク氏(ANフォト/モハメド・ファウジー)
「単一の文明による世界」に警鐘を鳴らすビジネス界の有力者イーロン・マスク氏(ANフォト/モハメド・ファウジー)
「単一の文明による世界」に警鐘を鳴らすビジネス界の有力者イーロン・マスク氏(ANフォト/モハメド・ファウジー)
Short Url:
16 Feb 2023 03:02:01 GMT9
16 Feb 2023 03:02:01 GMT9

アラブニュース

  • 「もし文明の一部に支障をきたしても、そのまま全体が崩壊してしまわないように、文明の多様性をある程度確保しておく必要があるでしょう。」ツイッターのCEOである氏はドバイで開催された世界政府サミットでそう語った。
  • 「ソーシャルメディア会社はそれぞれの国の法を遵守すべきで、それぞれの国の法を無視して自分に有利に事を進めようとすべきではありません。」

ドバイ: ビジネス界きっての有力者イーロン・マスク氏は水曜日、各国政府の代表者を集めてアラブ首長国連邦で開かれた国際会議で、『単一の文明による世界』に安住していると、全体の崩壊を引き起こす危険がある、と警鐘を鳴らした。

ツイッターの代表取締役である氏はドバイの世界政府サミットに参加する各国代表者に向けて演説を行なった。

彼はこのように述べた。「戦争だとかを推奨するわけではありませんが…あまり互いに協力的になりすぎるのには慎重になるべきです。」

「奇妙に聞こえるかもしれませんが、もし文明の一部に支障をきたしても、そのまま全体が崩壊してしまわないように、文明の多様性をある程度確保しておく必要があるでしょう。人類は常に前へ進んでゆくのです。」

氏はイスラームの台頭に時を同じくして起こったローマ帝国の崩壊を例に出した。カリフ制の下でイスラーム世界が繁栄するにつれローマ帝国は自壊してゆくが、そのような状況が知識の保存と多くの科学的進歩をもらたしたことに言及した。

アラブ首長国連邦の内務大臣で世界政府サミット協会会長であるムハンマド・アブドゥラ・アル・ゲルガウィ氏が司会を務めるサミットセッションで語る中、マスク氏は「世界政府サミットと呼ばれていることは承知ですが、実際に単一の世界政府として力を持ちすぎることにはいささか懸念を抱くべきです。」と加えた。

「奇妙に聞こえるかもしれませんが、各国政府間で協力しすぎることによる文明レベルにおけるリスクを作り出してしまうことは避けるべきです。」

「歴史上の文明の栄枯盛衰をみると、確かに様々な文明が繁栄しては衰退してゆきましたが、どれも人類全体の破滅につながるものではありませんでした。なぜなら人類は、それぞれ距離を大きく隔てた別個の文明を与えられていたからです。」

アル・ゲルガウィ氏からの質問で、なぜ自分自身でプラットフォームを作らずにツイッターを買収することにしたのかと問われ、マスク氏は、150人以上の政府代表者が聞くビデオ会議において、何か新しいものを作ろうと考えたことはある、と明かした。

彼はこう述べた。「私は、一から何かを作り出すよりもツイッターを用いた方が、おそらく3年分から5年分大きい進歩が得られる、と結論したのです。今日の技術進歩の速度はすさまじいもので、3年から5年というのはとても大きい価値があります。」

ソーシャルメディア、特にツイッターが世界に与える影響に関してマスク氏は、各国によって異なる検閲による制限をできるだけ少なくする形で、人々が国内または国家間でコミュニケーションをとれる場としての、最大限に信用された公的デジタルプラットフォームが必要であると指摘した。

「ソーシャルメディア会社はそれぞれの国の法を遵守すべきで、それぞれの国の法を無視して自分に有利に事を進めようとすべきではありません。」

「基本的な考えとしては、要するにサンフランシスコやバークリーで共有されているような、世界規模でみればニッチなイデオロギーといっても過言ではない価値観を押し付ける、というのではなく、個々の集団の価値観を反映するものにしよう、ということです。」

「ツイッターは、私の考えでは、サンフランシスコやバークリーのイデオロギーに近いニッチな価値観を押し付けることをやりすぎていたと思います。」と氏は加えた。

マスク氏は、文明の未来のためになることとして、それを是正するつもりでいる、と述べた。

アル・ゲルガウィ氏からツイッターの今後5年のビジョンについて質問を受けたマスク氏は、長期プランとして、X.comという、あらゆる決済や金融サービス、情報フローその他多くの機能を備えた万能アプリの開発を計画していることを強調した。

「デジタルなことは何でもできて、安全なコミュニケーションを提供し、最高に便利で、最高に面白いアプリにするつもりです。」と氏は加えた。

氏はXアプリを、世界で「実際のところ」何が起こっているのか、という観点において「真実を知るための本当のソース」になるようにしたい、と述べた。

「ツイッターは実際、そうした最大限に有用な万能アプリに向けての促進剤なのです。」と氏は語る。

ヘイトに関する問題、および人々を団結させるという氏のミッションやツイッターに対する批判について、マスク氏は以下のように補足した。「私たちはコミュニティノートというものに多くの力を注いでいるところです。現時点では英語ですが、やがて他言語にも対応させてゆく予定です。」

コミュニティノートを通じて、ツイッターができるだけ多くの組織、団体、協会の正当性を保証し、組織の所属状況に正当な承認を与えることを目指している、と氏は述べた。

「ツイッターは、インターネット上の一種のアイデンティティ・レイヤーなのです。」と氏は加えた。

世界政府サミット協会会長はマスク氏に、国民に貢献するためにはどのようにツイッターを使うのが最も効果的か、と質問した。

マスク氏はこう答えた。「ツイッター上でたくさんの交流を行なうのが望ましいでしょう。どんな風に話した方がよさそうか、に沿って話すより、自分の本音をありのままに話す方が、人々にとってよいことです。

時に人は、『こんな風に話すことを求められているから、そうしよう』と考えがちですが、そうすると、理解されず、嘘くさく聞こえてしまう結果になってしまいます。」

ビジネスマンである氏は、企業の代表取締役や国会議員、大臣に向けて、たとえ批判についても、嘘偽りなく話すよう促した。

氏は、自分のツイートは、マネージャーなどにやらせるのではなく自分ですべきだ、と述べた。

特に人気
オススメ

return to top