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イエメン指導者、フーシ派向けのイラン製兵器の引き渡しを米に要求

イエメンの大統領指導評議会のラシャド・アル・アリミ議長はアメリカに対し、フーシ派の手に渡る予定だった押収されたイラン製兵器を、武器庫を補充してフーシ派との戦闘に備えるため、イエメン軍に供与するよう求めた。(AFP)
イエメンの大統領指導評議会のラシャド・アル・アリミ議長はアメリカに対し、フーシ派の手に渡る予定だった押収されたイラン製兵器を、武器庫を補充してフーシ派との戦闘に備えるため、イエメン軍に供与するよう求めた。(AFP)
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20 Feb 2023 04:02:22 GMT9
20 Feb 2023 04:02:22 GMT9
  • ラシャド・アル・アリミ氏はフーシ派に武器を置いて政党となり、選挙に参加し、イランとの関係を断つよう呼びかけた

サイード・アル・バタティ

アル・ムッカラー:イエメンの大統領指導評議会のラシャド・アル・アリミ議長はアメリカに対し、フーシ派の手に渡る予定だった押収されたイラン製兵器を、武器庫を補充してフーシ派との戦闘に備えるため、イエメン軍に供与するよう求めた。

アル・アリミ氏は2月18日、ミュンヘン安保会議の席上で、アメリカが押収した武器の売人とともに引き渡したのは、裁判用の証拠としてライフル数挺のみだったと述べた。

「正当な政府に押収された武器が引き渡されるよう要求します。彼ら(アメリカ政府)は裁判での証拠として、武器商人とともに銃のサンプルしか提供しませんでした」とアル・アリミ氏は指摘した。

ウォールストリートジャーナルが先週(2月13日月曜から始まる週)報じたところでは、アメリカはフーシ派の手に渡るはずだった数千のライフル、対戦車ミサイル、その他イラン製兵器をウクライナに供与することを検討しているという。

イエメン軍関係者は、イエメン軍と治安部隊は領土を防衛し、フーシ派その他のテロ組織と戦うために、これらの武器を必要としていると考えている。

アル・アリミ氏はフーシ派が過去も現在も、イエメンにおける和平達成を阻んでいると非難した。フーシ派は「アラブの春」に触発された抗議活動に続く移行プロセス、新体制の確立、大統領および議会選挙を妨害しているという。アル・アリミ氏によると、フーシ派の権力奪取を後押ししているのはイランである。

「我々が今日目にしているすべての帰結は…イランがこの地域で行われている無責任で破壊的な行動を支援したことによるものです」と議長は述べた。

イエメンの指導者であるアル・アリミ議長は、フーシ派は中東における和平を妨害せよというイランの命令に従っており、平和の実現には前向きではないと指摘した。

フーシ派は数千個の地雷を埋設し、国連が仲介した停戦の延長を拒み、支配地域の住民を抑圧し、最近ではイエメン南部の石油施設に攻撃を仕掛けたと同氏は述べた。

「国際社会は、フーシ派が平和のための運動ではないと認識すべきです。イランの地域での勢力拡大の目論見と結びついた、暴力と破壊を旨とする集団なのです」とアル・アリミ議長は主張した。

「イランのコッズ部隊が指揮する反政府作戦がこの地域で行われており、イエメンだけでなく、あらゆる場所に広がりを見せています。この民兵組織は、イラン革命防衛隊の指令室から命令を受けて動いているのです」

アル・アリミ氏はフーシ派に武器を置いて政党となり、選挙に参加し、イランとの関係を断つよう呼びかけたが、武力による権力奪取の企図を放棄しなければ、彼らと戦うと誓った。

「フーシ派は政治的グループになるべきです。イエメン国民が彼らを投票で選ぶなら、彼らが国を支配すればよい。それで何の問題もありません。フーシ派もまたイエメン人であり、我々の同胞です。しかし、彼らはイエメン国民の利益よりイランの国益を優先しているのです」

アル・アリミ氏は続けて、フーシ派が南部のシャブワとハドラマウトの両県で石油関連施設を攻撃し、国連が仲介した停戦に違反し、政府軍に攻撃を仕掛けたことで、イエメン政府は国連の仲介によるストックホルム合意から手を引くことを決定していたが、それをいったん白紙に戻したことを明らかにした。

「我々はストックホルム合意が意義を失ったため、その凍結に向けて国連に申請を行う準備をしていましたが、同盟諸国からしばらく待つようにというアドバイスを受けました」と議長は説明した。

またアル・アリミ議長は、サウジアラビアが自身の率いるイエメン政府の頭越しにフーシ派と直接交渉を持ち、合意も間近だとの報道を強く否定し、サウジ政府関係者から大統領指導評議会側には、イエメンでの紛争終結のためフーシ派に接触するとの連絡があったと述べた。

「イエメン国民の苦しみを和らげ、流血を終わらせることのできる公正で持続的な平和につながるものである限り、オマーン、サウジアラビア王国の兄弟たちによるすべての取り組みを称えます」と議長は表明した。

「サウジの兄弟たちは、フーシ派との間につながりがあり、交渉が行われていることを我々に通知しました。今回が初めてではありません…サウジアラビア側は、サウジとフーシ派の間で何らかの合意が成立することはありえないという点を明確にしています。合意があるとすれば、それは正当な政府とフーシ派との間にです」

アル・アリミ氏によると、サウジアラビアに居住する200万のイエメン人からイエメンには年間40億ドルの送金があり、1,000万人以上のイエメン人がこの仕送りに頼っている。サウジおよび他の湾岸諸国からの送金が、イエメンの歳入にとって最重要の源となっている。

アル・アリミ議長はサウジアラビアとイエメンにおける正統性回復のための連合軍に対し、人道および軍事支援への謝意を表明した。支援には年間50万人以上の患者の治療にあたっていたアデンにある病院の復旧も含まれている。

アル・アリミ氏は、2015年に連合軍が国際的に承認された政府を守るためにイエメンに軍事介入を行っていなければ、フーシ派はバブ・エル・マンデブ海峡の支配権を手中にして、国際海運上の脅威となっていただろうと指摘した。

「連合軍による支援がなければ、フーシ派はバブ・エル・マンデブとぺリム島を手に入れていたでしょう。標準的な火器だけで、この海域の船の航行を禁じることも可能だったのです」

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