チュニス:チュニジアの反テロ捜査判事は、野党勢力を標的にした弾圧が続く中、著名な政治家3人と著名な実業家1人を公判前拘留することを決定したと、その4人の弁護団が発表した。
4人は、今月拘束されたカイス・サイード大統領に批判的な十数人の主要人物の中で、初めて司法審問を受けることになった。
アンナハダ党の元幹部であるアブデルハミド・ジュラシ氏、元財務大臣のハヤム・トゥルキ氏、共和党党首のイサム・チェビ氏、実業家のカメル・ルタイフ氏に対するおもな容疑は、国家の安全に対する共謀罪である。
4人の弁護士は、公正な裁判の条件が満たされていないため、審理をボイコットしていると述べた。彼はその4人以外にも、拘禁されている人々の弁護を担当している。
彼の息子によると、警察は24日の夜半に、同じくサイード氏の著名な批判者であるガジ・チャウアチ氏も拘束した。
今回の逮捕は、サイード氏が2021年に議会を閉鎖してほとんどの権限を掌握した後に、政令による統治に移行し、昨年国民投票で可決した新憲法を制定して以来、反対派に対する最大の弾圧となった。
2019年に選出された議会で最大の勢力を誇り、歴代の連立政権で一翼を担ってきたアンナハダ党などの政党や活動家たちは、サイード氏の動きを非難している。
サイード氏は他にも、司法に対する最終的な権限を握ったり、インターネット上に虚偽の情報を投稿して有罪となった人に刑務所行きを義務付ける法律を通過させたりしており、そういった動きはチュニジアにおける独裁政治への回帰の前兆であると彼らは警告している。
サイード氏は、2021年の自分の行動は合法であり、チュニジアを混乱から救うために必要だったと述べ、自分が独裁者になることは否定している。
彼は、反対派を裏切り者、テロリスト、犯罪者と呼び、有罪判決を下さなかった裁判官は共犯者とみなすべきだと述べている。
警察と内務省と法務省は、チュニジアの主要な独立系メディアであるモザイクFMのトップも巻き込んだ今回の拘留について、コメントを発表していない。
サイード氏は、拘留された人々の中には、経済学者が国家財政の危機のせいだと非難している食糧不足の背後にいる人物もいると述べている。
警察はまた、強力な労働組合であるUGTTの幹部1人と警察組合のメンバー数人を、別々の容疑で拘留した。
「サイード大統領は今、批判者を徹底的に追い詰めています」と、HRWのチュニジア担当ディレクターであるサルサビル・チェラリ氏は述べている。
「サイード氏は彼らをテロリストと呼び、信頼性のある証拠を集めるという建前を放棄しようとしています」
フランスもチュニジアに対し、革命以来の「民主主義の成果」を守るよう求めた。
外務省報道官は、「フランスは最近の度重なる逮捕に懸念を表明し、…チュニジア当局に対し、個人と公共の自由、特に表現の自由の尊重を確保するよう求めます」と発表した。
ロイター/AFP