
エルサレム:イスラエルのデモ隊は3月1日、テルアビブからエルサレムへの主要幹線道路を封鎖した。反対派が民主主義への脅威とみなしており、論争の的となっている司法改革を、立法府の議員たちが推し進めようとしたためである。
デモ隊は青と白のイスラエル国旗を振りながら、「イスラエルは独裁国家ではない、イスラエルはハンガリーではない」と呼びかけた。
デモ主催者が「崩壊の日」と名づけたデモは、全国的に激化すると予想された。イスラエルの右翼過激派政治家であるイタマル・ベングビール国家安全保障相は、「反乱」や「無政府主義者」よる道路の封鎖は許さないと述べた。
この改革は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相の極右・宗教政党との連立政権が1月に提案したものだ。これには、裁判官を選ぶ際に政府に決定的な影響力を与えることや、最高裁が立法を取り消したり、行政に不利な裁定を下す範囲を限定することが盛り込まれている。
イスラエルには憲法がなく、議会も連立政権が支配する一院制であることから、これは司法の独立性を大きく損なうものであると批判されている。
3月1日の国会では、クネセトの憲法・司法・法律委員会が、この計画のさらに多くの提案に最初の承認を与えることになっていた。
おもに儀礼的な役割を担っているイツハク・ヘルツォグ大統領は、イスラエルが「憲法と社会の崩壊」の瀬戸際にあると警告し、変更に関する妥協点を見出そうとしている。
この計画はまだ法制化されていないが、すでにイスラエルの通貨に影響を与えており、一部の西側同盟国からは、政府がこの見直しを行った場合のイスラエルの民主的な健全性に対する懸念が示されている。
トム・ナイデス駐イスラエル米国大使は、2月28日遅くにテルアビブ大学で開かれた国家安全保障問題研究所の会議で、「少しペースを落として、人々をまとめ、合意の形成を目指しましょう」と述べた。
ネタニヤフ首相は、自身が否定する汚職容疑で裁判にかけられているが、この変更によって政府の各部門間のバランスが回復し、ビジネスが活性化されると述べている。経済学者や法律の専門家は、この変更によってイスラエルが孤立し、経済に大打撃を与えるだろうと述べている。
ロイター