
イラン、テヘラン:イランは7日、11月下旬以降相次いでいる女子生徒を狙った謎の毒物事件で、初めて容疑者を逮捕したと発表した。この事件では5000人以上の生徒が被害に遭っている。
国民の怒りが高まる中、最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師は6日、この「許しがたい犯罪」の犯人を「容赦なく」追跡するよう呼びかけていた。
内務省は7日、声明で、有害物質を製造した疑いがある「数人」が6州で逮捕されたと発表した。生徒の親も含まれているという。
イランのマジッド・ミラフマディ内務副大臣は7日、国営テレビに対し、「情報機関」が数人を逮捕し、「関係機関が徹底的な調査を行なっている」と述べた。
11月下旬以降、イランの多数の学校が毒物事件の被害に遭っている。学校の構内で「不快な」臭いがすると報告した後、生徒たちは息切れや吐き気、めまいなどの症状に苦しんでいる。病院で治療を受けた生徒もいる。
イラン議会の実態調査委員会のメンバーであるモハマド・ハッサン・アサファリ氏は6日、イラン学生通信(ISNA)に対し、「(31州中)25州、約230校が被害に遭った。5000人以上の女子学生、男子学生が中毒になった」と述べた。
「中毒の種類と原因を特定するために、さまざまな検査が行われている。今のところ、使われた毒物の種類に関する具体的な情報は得られていない」
謎の毒物事件は怒りの波を引き起こしており、当局の行動が求められている。
内務省の声明によると、フゼスタン、西アゼルバイジャン、ファールス、ケルマンシャー、ホラサン、アルボルズの6州で逮捕者が出ている。
逮捕者の1人は、自分の子供を使って学校に「刺激物」を入れ、気分が悪くなった生徒の動画を録画して「敵対メディア」に送り、「恐怖を作り出し……学校を閉鎖」させようとしたと伝えられている、とその声明には書かれていた。
3人の容疑者には「最近の暴動(イラン当局は、マフサ・アミニ氏が拘留中に死亡したことをきっかけに始まった抗議行動を言い表すためにこの言葉を使っている)への関与などの」犯罪歴があると補足されていた。
22歳のアミニ氏は、女性に課されている厳しい服装規定に違反したとして逮捕され、9月16日に死亡した。
イブラヒム・ライシ大統領は先週、内務省と情報省に対し、毒物事件に関する最新情報を常に提供するよう命じた。毒物事件は、国民の中に「恐怖と絶望を作り出そうとする敵の陰謀」だと同氏は述べた。
「病院に搬送された生徒の5%弱から刺激物が見つかった。それが体調不良の原因だ」と内務省は6日、発表した。
「幸いにも、今までのところ、医療センターに移送された生徒から有毒物質や危険物質は発見されていない」
サイード・カリミ保健副大臣は、症状は「呼吸器の炎症、胃痛、衰弱、倦怠感」などだと述べた。
「吸い込んでしまったこれらの刺激物は、必ずしも気体であるとは限らない。粉末状やペースト状かもしれず、液体の可能性すらある。ヒーターにかけたり、熱で蒸発したりすれば、合併症を引き起こす可能性がある」と同氏は付け加えた。
ISNAが報じた直近の事件に巻き込まれたのは40人の生徒で、全員女性だった。この事件は7日、反政府デモの拠点である南東部ザーヘダーン市で起きた。
米政府は6日、毒物事件の「信頼できる独自調査」を要求した。
最初の症例は11月下旬、イランのシーア派の聖地コムで報告された。後に大学や学校に広がるアミニ氏の抗議運動の1カ月後だった。
テヘランのアリ・サレヒ検事は7日、毒物事件に関する「うそや噂を広める者」に対し、「断固として法的に対処する」と警告した。イラン司法府のウェブサイト「ミザン・オンライン」が報じた。
「この1週間でHammihan、Rouydad 24、シャルグの3メディアの管理人と、数人の個人に対する訴訟と告訴が行われた」とサレヒ氏は付け加えた。
AFP