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「アレッポのキャットマン」、壊滅的なシリア地震の後に救援に戻る

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13 Mar 2023 05:03:36 GMT9
13 Mar 2023 05:03:36 GMT9

アラブニュース

アレッポ:「アレッポのキャットマン」として広く知られている42歳の救急車運転手、モハメド・アラー・アル・ジャリール氏は、シリア北西部で自身が猫たちのスーパーヒーローであることを再び証明した。

今回、アル・ジャリール氏は2月6日のトルコ・シリア地震を生き残った猫たちを保護している。

アレッポの北にある彼の町ジンディレスは地震の被害が大きかった地域のひとつで、多くの猫が飼い主とはぐれたり、見捨てられたり、負傷したり、死亡したりした。正確な数はいまだ分かっていないがアル・ジャリール氏が救出した猫の2匹は死亡し、3匹はひどい怪我を負っていた。

アル・ジャリール氏と彼のチームは、この1か月で地震被災地域から40匹以上の猫を救出し、アレッポにあり同氏が運営する「キャットマン」動物保護施設に移送した。猫たちはそこで安全に保護され、必要な医療、ワクチン接種、食料を与えられている。

猫たちが地震の影響によるトラウマを抱えていたため、チームは初期の救助活動において困難に直面した。

「猫たちは非常に怯えていました」

「私たちをひっかくので、猫たちを捕まえることができませんでした。中には当日中に捕まえることができない猫もいたので、捕らえるために同じ場所を2、3日にわたって何度も訪れなくてはいけませんでした」と、アル・ジャリール氏はアラブニュースに述べた。

シリアの人々の生活を襲った悲劇に重なる悲劇は、同国の猫や他の動物たちにも同様に影響を与えた。アル・ジャリール氏は2016年に、シリア内戦のピークの中で100匹以上の帰る家のない猫を救い、治療や世話をして、「アレッポのキャットマン」というニックネームで呼ばれるようになった。

アル・ジャリール氏は、紛争と同じように、地震によっても人々が避難し、猫だけが取り残され、自活できなくなっていると指摘する。

「猫たちは明らかにずっと人間に依存してきました。人間が地域を去り、放棄したため、猫たちは飢えや病気の影響を大きく受け、それはやがて死につながります」

キャットマン保護施設でアル・ジャリール氏と共に働く27歳の獣医アンマル・ハマミ氏は、救出活動についてアラブニュースに語った。

「重要なことから始め、現地の猫たちに応急手当をして、それからクリニックに運びます」

「クリニックに収容した後、猫たちに適切な治療を行います。打撲がある猫もいれば、軽い怪我などを負っている猫もいます。多くは見たことのあるタイプの怪我なので、回復するまで隔離した上で、最大限の治療を行っています」

最初の地震から1か月が経過し、チームが地震で壊滅した町中で放置された猫を発見することがなくなったので、救助活動は終了を迎えようとしていると、アル・ジャリール氏はアラブニュースに語った。

同氏の「キャットマン」保護施設は130匹以上の猫を収容しており、付属の動物病院などの必要なサービスを維持するため、外部の支援に頼っている。

「この保護施設の活動を続け、動物にエサを与え、治療を施すために支援を受けています。トルコから薬やドライフードを送ってもらい、助けてもらっています」と同氏は述べた。

アル・ジャリール氏は救急車運転手という本業の傍らで、この10年間にアレッポ、イドリブ、アザズ、そして直近ではアル・バーブに動物保護施設を設立してきた。

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