
アラブニュース
ロンドン:シリア北西部のキャンプに住むシリア人の10人に9人は、内戦中に家を失うという苦難を複数回経験したと、英国を拠点とするアクション・フォー・ヒューマニティが発表した。
国際連合人道問題調整事務所は、12年前の3月15日に始まった内戦中にシリア国内で180万人が1,420のキャンプへの避難を強いられたと推計した。
シリア北西部で調査対象となった国内避難民263世帯のうち92%が紛争開始以来、複数回住む家を失ってきたことを、アクション・フォー・ヒューマニティが明らかにしたと、ガーディアン紙が16日に報じた。
約3分の2(64%)の人々は4回から7回引っ越したと回答し、23%の人々は8回以上引っ越したと回答した。
英国の慈善団体である同組織によると、2月の地震によって危機は悪化し、キャンプに暮らすシリア人の推定98%が安全な避難住居を失った。
「シリア人として、この12年間は胸が張り裂けるようなものでした。多くの国民が命を落とし、傷を負い、家を失いました」と、アクション・フォー・ヒューマニティ人道支援プロジェクトを管理するシリア北部の前線対応者ハニ・ハッバル氏はガーディアン紙に語った。
同氏はまた、地震により「宿泊施設が倒壊もしくは破損したり、安全だと感じられなくなったりしました」とも述べた。
「多くの人々は住む家を複数回失ってきました。戦争が始まった時、人々はダマスカスやダラといった全国各地にいて、戦闘が自分たちの町や村にやってくると避難しました」
「人々は生きるためにアレッポやラッカといった場所へ逃げて、そこからさらにイドリブなどに避難することになり、戦闘がそこにもやってくると、またも避難を強いられました」
「極端な例では、20回以上も家を去ることを強いられた人々もいます。自分と家族が4回、5回や6回も、命の危険を感じて家を捨てざるを得ない生活を想像できるでしょうか。それがシリア北西部の何百万人もの人々の現実なのです」
11月に国連は、いくつかの国内避難民キャンプでの死傷者を出した攻撃について懸念を表明した。
一方、国際救済委員会のデイヴィッド・ミリバンド代表が国際社会のシリアに対する「関心の低下」を批判したことを、ガーディアン紙が報じた。
「忘却の彼方は北西部の数百万人の生きる道ではありません」と、ミリバンド氏は述べた。
国際救済委員会の責任者であるミリバンド氏はさらに次のように語った。「2月の地震は、忘れ去られた危機は解決された危機ではないということを思い出させるものでした。戦争で行き場をなくした人々の生活に関するありのままの真実が明らかとなりました。彼らは出来事に翻弄され、状況に追い詰められており、衝撃に弱いのです」