
ドバイ:UAEの大統領は19日、アブダビでシリアの大統領と会談し、外交的に孤立したシリアをより広いアラブ地域に復帰させる時が来たと述べた。
シリアのバッシャール・アサド大統領がUAEを訪れるのは、この2年間で2度目。先月のオマーン訪問に続く外国訪問だが、2011年にシリア内戦が始まって以降、同氏が参加したアラブ諸国での公式行事はこれだけだ。
今回の訪問は、アラブ諸国がシリア政府への関与を強めているときに行われた。シリア内戦が始まって以来、シリアは中東地域で政治的に孤立している。シリアは、民主化デモに対する暴力的な弾圧をめぐって2011年に、カイロを拠点とするアラブ連盟から追放された。
「シリアは、あまりにも長い間、兄弟国と離れていたが、兄弟国の所とアラブの環境に戻る時が来た」。シェイク・ムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン大統領はアサド氏にそう話した。彼らは大統領宮殿で会談を行っていた。
I welcomed President Bashar al-Assad of Syria to the UAE today, and we held constructive talks aimed at developing relations between our two countries. Our discussions also explored ways of enhancing cooperation to accelerate stability and progress in Syria and the region. pic.twitter.com/QlcIWomFDE
— محمد بن زايد (@MohamedBinZayed) March 19, 2023
UAEの大統領は、シリア難民の帰還を促進する努力を要請し、シリア・トルコ間の関与を支持した。トルコは、アサド政権と戦う反政府勢力を長年支援した後、アサド氏との和解に向けて動いている。
「私たちは、両国関係の発展を目的とした建設的な話し合いをした。私たちは話し合いを通じて、シリアと地域の安定と進歩を加速させるために協力を強化する方法を模索した」
シェイク・ムハンマド大統領はそうツイートした。
2018年にアサド政権との関係を正常化させたUAEは、トルコ南東部とシリア北部を襲い、数万人を殺害した2月6日の地震の後、救援活動を主導している。
シリア内戦が10年以上続いた後、地震の後に生み出された外交的推進力が、これまで正常化に抵抗してきた中東諸国とシリアの関係を強化する可能性がある、とアナリストはみている。
「シリアに対するUAEのアプローチと努力は、アラブと地域の安定の強化を目指す、より深い洞察、より広範なアプローチの一部だ」とアンワル・ガルガシュUAE大統領上級顧問は述べた。
シリアがアラブ世界に戻り、中東地域で正当性を取り戻す必要性に関するUAEの立場は明確だ、とガルガシュ氏はツイッターで主張した。
「このことは、シェイク・ムハンマド・ビン・ザーイド殿下によって確認された。殿下が本日、(アサド氏と)会談したときに」と同氏は付け加えた。
アサド氏は、アラブ諸国間の関係強化におけるUAEの役割を評価した。同氏は、アラブ諸国間の関係を断絶する政策は「間違った政治の原則」だと批判し、「友好」関係を築くべきだと主張した。
アサド氏は19日、妻のアスマ・アル・アサド氏を同伴してUAEに到着し、アブダビにある大統領空港でUAEの大統領に迎えられた。
今回の訪問では、昨年より多くのセレモニーが行われた。同氏の車列がカスル・アル・ワタンに入ったときには祝砲が撃たれた。アサド氏の飛行機はUAEの戦闘機に迎えられた。