ラマッラー:関係正常化の努力がなされる中、イスラエル政府の過激主義的な政策がアラブ諸国との外交関係を脅かしている―― 政治アナリストや評論家はそう警鐘を鳴らしている。
ヨルダン議会で22日、イスラエルのベザレル・スモトリッチ財務相の発言への抗議として、イスラエル大使をアンマンから追放する議案が成立した。
スモトリッチ氏は「ヨルダン王国の国境や占領下にあるパレスチナの領土を含む」地図を使っているとされているが、アーメド・アル・サファディ議長は自国の政府に対し、有効な対抗措置を取るように求めた。
あるベテラン外交官(匿名希望)はアラブニュースに以下のように話した。「過激主義のイスラエル政府は受け入れられない。UAEなど、イスラエルと関係正常化している国もそれは同じだ」
特に「イスラエルの閣僚が『パレスチナ人というものは存在せず、ヨルダンはイスラエルの一部』などと発言していれば」なおさらだ、外交官は付け加えた。
「こうしたイスラエル政府の政策が続くようであれば、アラブ諸国は強い対応を取るだろう。そこには、テルアビブからの大使召喚も含まれる可能性がある」
スモトリッチ氏の「パレスチナ人などというものは存在しない」との発言を受け、UAEがイスラエルでの外交活動を縮小することを検討しているとの報道が22日にあった。
UAE外務省は、イスラエル高官との面会を避けるようにムハンマド・アル・カジャ駐イスラエル大使に指示したと言われている。
21日には、バーレーンもスモトリッチ氏の発言を非難した。
バーレーン外務省は声明の中で、国として「道徳的・人間的価値に反し、外交努力や国家間の平和を損なうような扇動的な発言や行為を」拒絶すると述べた。
イスラエル政府の政策は最友好国の米国の怒りも招いているようだ。ヨルダン川西岸地区北部での再入植を認める法案が成立した後、マイケル・ヘルツォーク駐米イスラエル大使は21日に国務省に呼ばれたが、これは異例のことだ。
ウェンディ・シャーマン国務副長官が大使と会談した、とヴェダント・パテル副報道官は述べた。
2人は「緊張を高め、それがラマダンや過越祭、イースターの休日につながるような行動や発言をすべての関係者が避けることの重要性についても話し合った」という。
イスラエルの政治アナリスト、ヨニ・ベン・メナヘム氏は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相がスモトリッチ氏やイタマル・ベン・グビール公安相を連立政権のパートナーとして必要とし、2人の要求に応えなければならないと指摘する。
「2人はこれからも首相に言うことを聞かせるだろう」とメナヘム氏は言う。
「アラブ諸国と米国は、政治的な脅しを受けているネタニヤフの難しい状況を理解しなくてはならない」