
アル・ムッカラー:イエメン政府高官と地元メディアによると、25日、包囲網が敷かれたイエメンの都市タイズで、モーセン・アル・ダエリ国防相を含む軍幹部を乗せたコンボイが、イランに支援されたフーシ派によって発射された爆発物を積んだドローンの攻撃を受け、イエメン政府軍兵士1名が死亡、他2名が負傷した。
イエメン政府高官がアラブニュースに語ったところによると、フーシ派が発射したドローンが標的にしたコンボイには、国防相、陸軍参謀長、タイズ州知事が乗っており、紅海の町モカからタイズへ移動中だったという。アル・ダエリ国防相をはじめとする政府高官は全員無傷だった。
イエメンのムアンマル・アル・エルヤニ情報相は、和平の試みを頓挫させる試みとしてフーシ派を非難した。
「これまでテロリストであるフーシ派は多方面で行動をエスカレートさせてきたが、それに続く今回の罪深い攻撃は、彼らに停戦再開と事態の沈静化に向けた取り組みを妨げようとする執念があることを裏付けるものだ」と、同相はツイッターで述べた。
アル・エルヤニ情報相は以前、フーシ派が政府軍への攻撃を続ければ、中部マアリブを中心に国中で大規模な軍事作戦が再開されると警告している。
先週初めにフーシ派がマアリブの南、ハレブ地区で政府軍に対する一連の激しい攻撃を開始し、いくつかの村を占領して以来、多数の兵士が死傷してきた。
フーシ派とイエメン政府間の囚人交換交渉が成功し、その結果ラマダン中に800人以上の囚人を解放するという合意に至ったことで、戦争の平和的解決への希望が芽生えたが、その希望はこれらの攻撃により、またタイズでの比較的穏やかな砲撃や地上攻撃もあって、打ち消された。
アル・エルヤニ情報相は、ハレブ地区でのフーシ派の襲撃により、相当数の人々が避難を余儀なくされており、将来的には全面的な紛争を招く可能性があるとしている。これが実現すれば、昨年4月に国連の仲介で停戦が実施されて以来、イエメンの比較的平和な状態に終止符が打たれることになるという。
情報相は24日、タイズのAl-Barehにて軍人らを前に、フーシ派打倒と、フーシ派の支配下にあるサヌアなどの地域の奪還を誓い、兵士に警戒を続けるよう呼びかけた。
「我が国の領土を隅々まで取り戻し、首都を奪還し、正統な指導者を本来の地位に戻すためには、我々全員が同じ精神を共有し、フーシ派に対して銃口を向けなければならない」と情報相は述べた。
イエメンの軍事アナリストであるモハメド・アル・クマイム准将は、フーシ派は国連が仲介した停戦に乗じて再編成し、軍高官や政府の統治下にある地域に対する攻撃を行ったと述べた。准将は、イエメン政府はフーシ派との合意を破棄し、軍事作戦を再開すべきであると提案している。
「イエメン軍最高軍事権限者が乗るコンボイに対して行われた今回の攻撃を受けて、政府はストックホルム協定を含むすべての協定を打ち切り、前線での戦闘を再開することが予想される」と准将は述べた。
10月以降、イエメン政府はフーシ派をテロ組織として指定している。フーシ派がハドラマウトとシャブワの石油施設にドローンやミサイルによる攻撃を実行し、イエメンの石油輸出を停止させたあかつきには、ストックホルム協定などフーシ派と結んだ協定から離脱し、軍事攻勢を再開すると予告している。