アル・ムッカラー:国連の仲介によるイエメン敵対勢力間の停戦は「概ね維持されている」ものの、マアリブおよびシャブワで激しい戦闘が行われる中で、いまだ崩壊の危機にあると、国連特使は語る。
停戦合意から1年を迎え、ハンス・グルンドベルグ氏は、政府とイランが支援するフーシ派は停戦規約をほぼ守っていると述べた。しかし、最近の戦闘増加によって台無しになる可能性があると警鐘を鳴らした。
「停戦期間終了後も、停戦は概ね維持されており、停戦要件の多くは引き続き実施されている。しかし、停戦の最も重要な有望性は、総合的かつ持続的な紛争終結を目指す包括的な政治プロセスの開始につながる可能性にある」と、グルンドベルグ氏は述べた。
国連仲介の停戦による交戦停止はイエメンの9年にわたる内戦の中で最長のもの。この停戦により、民間人の死者数と国内避難民の数が大幅に減少している。
当事者らは停戦のもとで、交戦を止め、サヌア空港発の民間航空便を許可し、ホデイダ港への燃料船到着を支援し、タイズやイエメン国内の他の町におけるハイウェイ封鎖の解除に向けて協力することに合意した。しかし、フーシ派はいまだにタイズ包囲を解除していない。
グルンドベルグ氏は、軍事面、経済面、言葉の面での対立激化は停戦に危機をもたらすと警告を発した。また、自身の事務所は停戦をより包括的で持続的な政治プロセスに移行させるため取り組んでいると述べた。
「停戦の成果を守り、それを土台としてさらなる人道支援、全国での停戦、イエメン人男女の願望に合致する持続可能な政治的解決を目指す必要がある」と、同氏は述べている。
また、全当事者が停戦を適切に施行し、沈静化を図り、平和を確保するため協力しなくてはならないと述べた。
「私は、停戦以前、停戦中、停戦期限切れ後にわたって、包括的な政治プロセスの開始に関する合意形成のために、当事者や他のイエメン国内の関係者、そして地域および世界の関係者に政治的に働きかけてきた」
サヌア空港発の民間航空便にはこの1年で数千人が搭乗し、ホデイダ港には数十隻の燃料タンカーが到着して、フーシ派支配地域の慢性的燃料不足を緩和してきた。
ヨルダンの首都アンマンで5月に始まったイエメン政府とフーシ派の話し合いは、包囲されたタイズに暮らす何万もの人々の期待も虚しく、フーシ派が主要なアクセスルートの封鎖解除を拒否したことで決裂した。
10月にフーシ派が石油利益の分配とフーシ派支配下の公務員への給与支払いを政府に迫るために、政府が管理するハドラマウトおよびシャブワの石油施設に対する攻撃を開始したことにより、停戦延長に向けた取り組みが妨げられた。
この攻撃の後、イエメン政府はフーシ派をテロ組織に指定し、大規模な軍事作戦を開始すると脅した。
今回の国連特使の発言は、フーシ派がタイズとマアリブで軍事作戦を継続して、政府軍を地上戦で攻撃し、ドローンやミサイルで爆撃する中でなされた。
現地メディアが2日に報じたところによると、フーシ派が過去10日間にわたって一連の激しい攻撃を行っていたMerkhah Al-Ulya地区で、また新たな攻撃を開始したのち、南部シャブワ県においてフーシ派と政府のシャブワ防衛部隊およびGiants Brigadeの間で激しい戦闘が勃発した。
フーシ派は中部マアリブ県の南にあるハレブ地区でも政府軍兵士を急襲したため、激しい戦闘となり、これにより数十人の戦闘員が死傷し、数百人が避難を強いられた。
国連イエメン担当特使のグルンドベルグ氏は2日に、交戦を停止し、交渉に参加し、和平交渉への道を開くために譲歩するよう求めた。
「今は対立激化やゼロサムゲームの時ではない。これまで以上に今は、対話、譲歩、リーダーシップと和平実現への真剣な意志の証明が必要な時だ」と、グルンドベルグ氏は語った。