• サウジアラビアが出資するプロジェクトマサムの一環として戦争で荒廃したイエメンで人命を救うべく活動する専門チームの一つに、本誌記者が同行した。
• 「地雷除去作業中に5人の世界的な専門家と数人のイエメン人が亡くなりました」とある幹部は話す。

モハメド・アル・キナニ

リヤド：本誌記者は、サウジアラビアが主導するプロジェクトマサムの一環としてイエメンでの地雷除去を担当する専門チームの一つより招待を受け、戦争で荒廃した同国で人命を救うべく活動する彼らの途方もなく危険、かつ極度の重圧にさらされる作業を視察した。

「チームの作業はまず、地雷除去に使用するすべての機材の点検と、動作確認から始まり、それから地雷探知に移ります」と、メンバーの一人（安全上の理由より匿名）は話した。

すべての機材が正常に作動することを確認した後、チームは地雷設置が疑われる位置に接近する。今回は3か所が特定された。

最初の2つは無害だったが、3つ目の地雷に関しては直ちに探知機が地雷の存在を知らせる大きな警告音を発した。このエリアでは、これまでに32個の機器が検出されている。

「この探知機は対装甲地雷を検知すると大きな警告音を出すので、この地点に重要度が高いターゲットが設置されていることは明らかです」とメンバーは話す。

「このターゲットは他のターゲットと音が違うので、これからチームの手順に沿って対処することになります。これは対戦車地雷の存在を示しています」

メンバーは即座に作業に取りかかり、解除の過程を順を追って記録するためにヘルメットにカメラを固定した。作業開始と共に彼は警笛を鳴らし、チームリーダーと同僚に、未処理地雷を扱っていることを知らせた。

「私は地雷探知を担当し、また未処理地雷を扱う際にはチームと私個人の安全確保を第一に考えます」と彼はアラブニュースに話した。

「地雷に関するフーシ派の戦術はいくつかありますが、その一つとして起爆装置にブービートラップが仕掛けられている場合があります。地雷除去に当たる者が起爆装置を取り外すと、即座に地雷が爆発するのです」

また、追加のトラップが地雷の下に仕掛けられている場合もあり、地雷を除去すると爆発する、と彼は付け加えた。このような入念な方策により、フーシ派は地雷除去チームに被害を与えようとする。

このことを念頭に、彼は長いロープの一端を慎重に地雷に取り付け、約100メートルの距離まで後退した。そして、カウントダウンを叫び、ゼロまで数えてからロープを強く引っ張った。そして、地雷が安全に地上へと引き出されて安定していること、地雷の下にブービートラップがないことを確認するために、安全な距離に10分ほど留まった。

地雷への接近が比較的安全となったことが分かると、ようやく彼は再び地雷に近づき、起爆装置を慎重に取り外した。これで地雷を安全に廃棄することができる。今回のオペレーションは何事もなく終わったが、そうでない場合もある。

「地雷除去作業中に5人の世界的な専門家と数人のイエメン人が亡くなりました」とプロジェクトマサムのアデンとイエメン西海岸でのオペレーションを担当する責任者のザウバア・アル・ラウィ氏は話す。

「ですが、このことで、我々が地雷撤去活動をやめることも、我々の十全な覚悟が揺らぐこともありません。

プロジェクトマサムは、外部資金に頼らず、金融機関や投資家からの出資を必要としない唯一のプロジェクトであるため、世界の地雷除去プロジェクトの中でも一線を画しています。資金はサウジアラビアが全額を提供しているので、他の資金調達手段に頼る必要がないのです」

アル・ラウィ氏は、マサムのチームのメンバーは全員イエメン国民の若者であり、国のため、自国に対する誇りと敬意から、進んで危険に身をさらしていると述べた。

マサムで訓練指導員を務めるデオン・フォン・ランズバーグ氏は、次のように話す。「私はイエメンで手作業での地雷除去プロジェクトに携わっており、…マサムでは全チームで地雷除去に関する訓練を実施しています。

現段階では、国内に30チームあり、現在、また一つのチームの訓練を担当しています。これが完了すれば、彼らはより多くの地雷を安全に除去することができるようになります」

マサムの特別オペレーションを監督するクリス・クラーク氏は、次のように述べている。「現在400人以上のイエメン人が配備されており、彼らは国際地雷対策基準に準拠した訓練を受け、国際的な技術専門家のチームから指導を受けています」