
アル・ムッカラー:今週、イエメン南部、中部、西部各地で豪雨により鉄砲水が発生し、少なくとも5人が死亡した。地元メディアと当局が明らかにした。
南部のシャブワ県バイハン地区では洪水でバスが流され、3人が溺れ、他2人は救助された。シャブワ県では、洪水により道路や農場も大きな損害を受けた。
4月5日、南部にあるアビヤン県では、アフワル近郊で洪水により車が水没した兵士の遺体を地元住民が回収した。同乗していたもう2人の兵士は脱出して無事だった。
イエメン南部では、少なくともさらに2人が洪水で流され、行方不明になっている。
ソーシャルメディアには、生命を危険にさらさないようにという警告を無視して、複数の地域で冠水した道路を渡ろうとするバス運転手の姿を写した動画が投稿された。
アル・ハラジヤー、アル・ウリヤー、タイズでは少なくとも20軒の家屋が鉄砲水により半壊または水没し、住民は家財を捨てて親族のもとに身を寄せざるを得なくなっている。
住民の話では、大雨と洪水によって家屋が破壊され、食糧は汚染された。ラマダン中ではあるが、即時の救援を要請したという。
過去2年間、大雨と洪水により国中で数十人のイエメン人が犠牲になり、家屋や避難所が破壊され、コレラのような感染症が広がるもととなっている。
一方、イエメンの国立気象センターは5日、今週も各地で降雨と鉄砲水があると予測し、住民に対し河川や水路から離れるよう勧告した。
国連食糧農業機関(FAO)は先に、洪水により基幹インフラが破壊され、タイズでは31家族が影響を受けたと明らかにした。
また、FAOによると、過去1か月間に洪水の被害を受けた人の数は全国では9,000家族以上にのぼったという。
FAOは4月中旬までに、豪雨と洪水によってインフラと農地にさらなる被害が出てサヌア、ザマール、イッブ、ラヒジュ、ハドラマウト、ジャウフの各地に住む2万2,000の人々が危険にさらされると警告している。
「これらの地域とイエメン高地の大半は、次週はより危険な大雨と洪水に備えなければならない」とFAOの農業気象警報は述べている。
「コレラに代表される、バクテリアによる感染症の流行により、とりわけ水と衛生関連のインフラがすでに壊滅的被害を受けた国内避難民のキャンプで大きな被害が出ることが予想される。当該地域でこれらの設備を強化する人道介入が強く推奨される」と警報はさらに続けている。