
エルサレム:4月9日早く、イスラエル軍は自国の支配地域への攻撃への報復として、シリアにロケット弾を発射したと明らかにした。イスラエル北部国境地域では、国境越しに砲撃戦が起きた後、緊張状態が続いている。
イスラエルに向けて発射された6発のロケット弾による被害はなかった。レバノンを拠点とするテレビ局、アル・マヤディーンによると、イランが支援するパレスチナの団体「イスラム聖戦」の軍事部門、「アル・コッズ隊」がこの攻撃を行ったと名乗り出た。
イスラエルは、シリアにあるロケット発射装置に対し、迫撃砲とドローンによる攻撃を加えたと発表した。軍によると、イスラエルの支配地域まで国境を越えて達したのは3発のみで、内2発は空き地に着弾し、残り1発は防空システムにより迎撃された。
今週、イスラム教の神聖な月、ラマダン中に起きたイスラエルによるエルサレムのアル・アクサモスク襲撃では警察が礼拝者を殴打する様子が撮影されている。この事件以来、イスラエルとパレスチナ人グループの間の対立が先鋭化する中で、今回の一連の攻撃は起きた。
イスラエル警察は、モスク急襲は爆竹と石を武器に建物内で立てこもっていた集団を排除する目的で行われたと説明したが、この件はアラブ諸国の憤激を引き起こし、アメリカ国内のイスラエル支持派にさえ懸念を呼び起こした。
8日、モスク周辺ではさらなる衝突が起きるのではないかと危惧されたが、大きな混乱は報告されていない。
モスクのある敷地はエルサレム旧市街に位置し、ユダヤ教の聖地「神殿の丘」もあるため、イスラム教徒とユダヤ教徒の両者にとって神聖な場所とされる。この場所は長年にわたり争いの発火点となってきた。特に、敷地内で非ムスリムが礼拝を禁じられていることにはユダヤ人訪問者が抵抗している。
2021年にこの場所で起きた衝突は、イスラエルとハマスの10日間戦争の引き金となった。7日の国境を挟んだ砲撃戦は、この戦闘の記憶を呼び戻した。
6日には、レバノン南部からイスラエルに向けて30発以上のロケット弾が発射された。イスラエルはこれに反撃し、イスラエル側からはレバノンとガザ地区にあるイスラム主義組織ハマスの関連施設に向けて攻撃が行われた。
1967年の中東戦争で、イスラエルはゴラン高原を占拠し、1981年に1,200㎢の領土を併合したが、これは国際社会の大半からは認められていない。
これとは別に、イスラエルの占領下にあるヨルダン川西岸地区で起きた衝突では、イスラエル軍によりパレスチナ人男性1人が射殺された。イスラエル軍およびパレスチナ保健省が明らかにした。
ロイター