チュニス:チュニジアにあるサッカークラブは火曜日、選手32人がヨーロッパに不法移住したため活動を停止したと発表。
4部リーグのガルディマウ・クラブのジャミル・メフタヒ会長は火曜日、『密入国』を非難し、「我々は活動を停止し、試合も中止した」と語った。
過去3年間で同クラブに所属する選手のうち32人がヨーロッパに移住したという。
チュニジアは長期にわたって深刻化する経済危機に見舞われており、国民の多くは海外でより良い生活を求めて必死の行動をとることを余儀なくされている。
17~22歳のガルディマウの選手たちも、「船で出国したか、セルビアを経由して不法に国境を越えて他の国へ行った」とメフタヒ会長は説明した。
チュニジア人であれば昨年の11月までビザ無しでセルビアに渡航することができたことから、何千人もの人々にとって、世界で最も危険な移民ルートである地中海中部でのボートによる横断に代わる選択肢となっていた。
出国を目指す人は、アルジェリア国境に近く、チュニジアの沿岸部の経済拠点からは遠く離れた内陸の農村地帯であるガルディマウなど、社会から取り残された地域から来るケースが圧倒的に多い。
メフタヒ会長は選手らの出国の原因を「経済的な余裕のなさ」によるものとして非難した。
「道具をはじめ、シャツやシューズを買う余裕もなく、選手には給料が支払われていません」
チュニジア沿岸の一部はイタリアのランペドゥーザ島から150 km圏内にあり、今年に入ってからすでに数千人のチュニジア人とサハラ以南のアフリカ諸国の市民がこの横断を試みている。