
ベイルート:米軍は17日、シリア北部でヘリコプターによる急襲を実施し過激派組織ダーイシュの最高幹部1人を「ほぼ確実に殺害」したと発表した。
米中央軍(CENTCOM)は声明の中で、このダーイシュ幹部(名前は明らかにされなかった)は「中東および欧州でのテロ攻撃の計画に関与」したと述べた。また、急襲の標的だったこの幹部の他に「武装した人物」2人を殺害したことを明らかにしたうえで、この作戦による民間人や米兵の被害はなかったとした。
シリア北部の反体制派支配地域で活動する「シリア民間防衛隊(通称ホワイトヘルメッツ)」は、この急襲で負傷した2人を地元の病院に搬送したと述べた。その後、彼らが死亡したことを明らかにした。また、米軍が急襲のために着陸した際にもう1人が死亡したと伝えた。
シリア北東部における対ダーイシュ作戦で米国と連携しているクルド人主体の組織「シリア民主軍」によると、今回の作戦はコバニ近郊の基地から行われ、トルコを拠点とする反体制派武装組織「スクル・アル・シャマル」がトルコとの国境近くのジャラブルス地方のスワイダ村に所有する軍事施設を標的としていた。
イギリスを拠点とする戦争監視団体「シリア人権監視団」は、今回の急襲によりダーイシュ最高幹部1人が拘束され3人が死亡したと報告した。米軍は拘束については言及しなかった。
同団体は、ヘリコプターが着陸した後に「暴力的な衝突」が発生したと伝えた。このような着陸が行われたのは今年初めてである。
シリアには少なくとも900人の米兵が配備されている。米国の請負業者もいるが人数は公表されていない。
ダーイシュは2014年にイラクとシリアを席巻し広大な領土を掌握したが、シリアでは2019年に打倒された。しかし、潜伏細胞が存在を維持しており、軍や民間の標的に対して定期的に攻撃を行っている。
AP