Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter

イエメン国民が雑踏事故の犠牲者を追悼、「貧困悪化はフーシ派が原因」

Short Url:
21 Apr 2023 12:04:48 GMT9
21 Apr 2023 12:04:48 GMT9
  • フーシ派「事故に関与した疑いで3人を拘束」

サイード・アル・バタティ

アル・ムッカラー:20日未明、イエメンでラマダンの支援金が配られた際に事故が起き、少なくとも85人が死亡、数百人が負傷した。

反政府派が掌握する首都サヌアの学校で、ラマダンの終了に合わせて5000リアル(8ドル)が配られ、それを受け取ろうと大群衆が押し寄せた。事故を巡って3人が拘束された。

死者が出た事故について、国内の多数の活動家や弁護士、ジャーナリストが徹底的な独立調査を求めている。各国の在イエメン大使や支援団体、人権団体は衝撃を受け、追悼の意を表明している。

イエメン国民は、イランを後ろ盾とするフーシ派に対し、地元の人権団体や弁護士を独立調査に参加させるよう求める署名をオンラインで集めた。訴えには、フーシ派支配地域の公務員に給与を支払うことや、貧困層に施しを与えている地元の慈善団体や商人への嫌がらせをやめることも含まれている。

サヌアの雑踏事故の現場とされるSNSの写真。

「私たちは、この事故を調査し、法を適用するため、弁護士協会や人権団体の代表者で構成された住民参加型の公正・公平な調査委員会の設置を求める」。イエメンの活動家は書簡でそう述べている。

書簡は「同様に、私たちは社会的弱者への施しを行おうとした商人を妨害したことを厳しく非難する」と続く。

フーシ派は、指導者のマフディ・アル・マシャト氏が調査委員会の設置を命じたと述べた。一方でフーシ派幹部は、一帯を「封鎖」した敵対勢力や、同派の治安当局に協力しない業者のせいで事故が起きたとしている。

しかし、イエメン国民は、フーシ派が何千人もの公務員に給与を支払わず、国家の収入を浪費し、さらには貧困省を支援する地元の商人や慈善団体に嫌がらせをして、この悲劇を引き起こしたと非難した。

かつて文化相を務め、現在はサヌアで作家をしながら積極的に発言しているハーレド・アル・ルワイシャン氏は「あなたが彼らの給料を支払わなかったから、人々は亡くなった」と述べた。

ムアンマル・アル・エルヤニ情報大臣は事故を「大量殺人」と表現。国家収入の略奪や公務員給与の支払い拒否、民間部門の代表者への嫌がらせ、人道援助の妨害によって、フーシ派がイエメンの貧困を悪化させていると非難した。

大臣は「飢えた人々の口から食料を奪い、国際援助組織に制限を課した者たち。商人や慈善家が困窮者に施すのを妨げ、ザカートや寄付金を略奪し、違法な手数料や税金を課した者たち。この事件の責任を負うのは、そうした者たちだ」とツイートした。

国連イエメン担当特使のハンス・グルンドベルク氏は以下のようにツイートした。「イードの前夜にサヌアで起きた悲劇的な雑踏事故について、私および事務所の全スタッフが痛みを覚え、深い悲しみに包まれている。今、深い悲しみの中にあるすべてのイエメン国民に心からのお悔みを申し上げ、負傷者の速やかな回復を祈念する」

在イエメン英国大使のリチャード・オッペンハイム氏は「イードが迫るタイミングでの大きな悲劇。イエメン国民の和平を支援するため、私たちはイエメンおよび世界各地のパートナーとともに懸命に取り組んでいく」と述べた。

在イエメン米国大使のスティーブン・ファギン氏は以下のように語った。「本日サヌアで起きた悲劇的な事故で命を落とした方々のご家族にお悔やみを申し上げ、負傷者の速やかな回復を祈念する」

特に人気
オススメ

return to top