
ハルツーム:スーダンで戦闘を行う両勢力は、ラマダン終了に伴う停戦を求めていた世界的な大国その他の要請を無視して、21日未明に首都ハルツームで再び衝突した。いくつかの地区で爆撃や砲撃が報告されている。
首都ハルツームで6晩続けて爆発音や銃撃音が響き渡るなか、アントニオ・グテーレス国連事務総長とアントニー・ブリンケン米国務長官はいずれも、ほぼイスラム教徒が占める同国でイード・アル・フィトルに合わせて「少なくとも」3日間の停戦を呼びかけた。
スーダン医師中央委員会は声明の中で、「イード・アル・フィトルの夜、ハルツームのいくつかの地区は爆撃を受け、今も軍とRSFの衝突や砲撃にさらされている」と述べている。
「すべての市民に向けて、注意を払い、自宅に留まり、ドアや窓を閉め、横になるようにと呼び掛けている。両勢力に向けては、無辜の人たちの生命を守るために、責任ある行動をとり、直ちに戦闘を停止することを呼び掛けている」
首都ハルツームは最も激しい戦闘の矢面に立たされており、人口500万人の大半は電気、食料、水がない状態で自宅に潜んでいる。
ハルツーム南部のナゼク・アブダラ氏(38)は、住民はこの1週間近く安眠できず、「戦闘機と空爆の轟音」で目を覚ましていると語った。
「人々はドアや窓を施錠し、流れ弾が建物に命中しないことを祈っている」という。
「イードの祝祭期間中、戦闘が止むことを願っている。そうはならないだろうが」
ブリンケン氏はブルハン氏、ダガロ氏と個別に会談し、「無差別な戦闘を非難した」と、21日に報道官が声明で述べている。
「ブリンケン氏は両軍事指導者に対し、全国的な停戦を実施し、少なくとも4月23日の日曜日にイード・アル・フィトルが終了するまで継続するよう促した」と声明は述べている。
21日に戦闘が激しさを増すなか、ブルハン氏は戦闘勃発後初めてテレビに登場し、例年同様にイードの祝辞を述べた。
背後に2枚のスーダン国旗が掲げられ、軍服を着用して机越しに椅子に腰かけていた同氏は、停戦にいっさい言及しなかった。
「今年のイードでは、我が国は血を流している。喜びよりも、破壊、荒廃、銃弾の音が優先されている」と同氏は語った。
「私たちがこの苦難を乗り越え、より団結した、1つの軍隊、1つの国民からなる、民生主導の国家へと向かうことを望む」
2日間で2度にわたって停戦の試みが失敗に帰し、20日夜にも砲火が続き、ハルツーム国際空港や軍司令部周辺の建物からは黒煙の柱が立ち昇っている。
建築家のタグリード・アブディン氏によると、多くの人は自宅に潜んでいるが、なかには「自分や家族を守るために」危険を顧みずに自宅から出る人もいるという。
ハルツーム以外では、中部の北コルドファン州のオベイド市で大きな爆発があったと報告されている。
「町のいくつかの地区では死臭がする」と、現地の人は述べている。
世界保健機関(WHO)のアーメド・アル・マンダリ氏は20日、ハルツーム、ダルフール西部地域、その他の州で「ほぼ330人が死亡し、3,200人以上が負傷している」と明らかにした。
戦闘は民間人に大きな犠牲を強いており、国連の児童機関であるユニセフは、「少なくとも9人の子供が死亡したと報告されている」と発表した。
世界食糧計画(WFP)は、人口の3分の1に当たる1,500万人がすでに食糧不安に直面しているこの国では、今回の暴力でさらに数百万人が飢餓に陥る恐れがあると警告している。
15日に職員3人が死亡した事態を受け、WFPはスーダンでの活動を停止している。
ブルハン氏とダガロ氏の激烈な闘争は、スーダンの民政移管への回帰を目指す最終合意の重要な条件である、RSFの正規軍への統合をめぐるものだった。
ハルツーム周辺や他の地域では、装甲車や機関銃を搭載した小型トラックに乗ったRSFの戦闘員が通りを占拠している。
ハルツームやその他の地域では、検問所で大勢の戦闘員が、最悪の戦闘地域からより安全な地域に逃れようとする市民を乗せた自動車を捜索していた。
市民の絶望感はいや増し、18日までに数千人が首都から脱出した。多くの人が、通りに死体が散乱していたと報告している。
医療関係者は破滅的な事態になると警告を発している。特にハルツームでは、多くの病院が激しい砲撃に巻き込まれているという。
ハルツームと近隣州では、病院の最大7割が戦闘によって「医療の提供不能」に陥っていると、医師組合は明らかにしている。
多くの負傷者が病院にたどり着けておらず、死者数は発表よりはるかに多くなる可能性が高い、と警告している。
いくつかの国の退避計画は保留されており、米国防総省は20日、「米国大使館員のスーダンからの出国を安全にし、場合によっては推し進める」ことを期待して、「この地域内の近隣」に部隊を展開していると発表した。
スーダン軍によると、エジプト兵177人が北部の都市メロウェからエジプトに退避したという。エジプト政府は兵士の到着を確認している。その後、RSFはさらに27人のエジプト兵をスーダン赤十字に引き渡し、エジプト政府は兵士が在ハルツーム・エジプト大使館に到着したことを確認した。
アラブ首長国連邦は、RSFに拘束されたエジプト人の仲介を「主導」したと発表した。
30年に及ぶ圧政に抗議する大規模デモを受けて、ブルハン氏とダガロ氏は2019年4月に協力して独裁大統領のオマル・アル・バシール氏を打倒した。
2021年10月には、再び協力して、バシール氏の失脚後に設立された文民政府を追い落とし、国際的な支援を受けていた民政移管を頓挫させた。
AFP