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イスラエルによるアル・アクサモスク礼拝堂への「冒涜」に怒るパレスチナ人

エルサレム旧市街のアル・アクサモスク敷地内で、入植者の隣を歩くイスラエル治安部隊の隊員たち=2023年4月5日。(ロイター)
エルサレム旧市街のアル・アクサモスク敷地内で、入植者の隣を歩くイスラエル治安部隊の隊員たち=2023年4月5日。(ロイター)
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27 Apr 2023 03:04:23 GMT9
27 Apr 2023 03:04:23 GMT9
  • パレスチナのムハンマド・シュタイエ首相は、バブ・アル・ラフマ礼拝堂はアル・アクサの不可欠な一部であり、イスラム教徒のみに管理する権利があると述べた
  • アル・アクサモスクの指導者であるオマール・アル・キスワニ氏は、イスラエル側からの侵入者は礼拝堂をアル・アクサモスクから切り離すことが狙いだったとしている

モハメッド・ナジブ

ラマッラー: アル・アクサモスクのバブ・アル・ラフマ礼拝堂に対するイスラエルの度重なる攻撃に対し、パレスチナ人の間から非難の声が上がっている。彼らの訴えでは、礼拝堂は荒らされ、礼拝者は日々脅迫と弾圧に直面しているという。

パレスチナのムハンマド・シュタイエ首相は、バブ・アル・ラフマ礼拝堂はアル・アクサの不可欠な部分であり、イスラム教徒のみに管理する権利があると述べた。

イスラエルによる礼拝堂からの物品撤去や破壊行為は容認できないと首相は付け加えた。

パレスチナ解放機構執行委員会のメンバーであるラムジ・コーリー氏によれば、過激な入植者グループが26日にアル・アクサモスクの中庭でイスラエルの旗を掲げ、宗教的儀式を行ったという。

コーリー氏は、イスラエルの行動を「アル・アクサモスクの神聖さに対する前例のない攻撃、その宗教的地位の冒涜、そして世界中のイスラム教徒に対する挑発」と表現した。

そのうえで、「正統性に関する国際的な決議によれば、エルサレムはパレスチナの都市であり、イスラエルはそれを占領しているに過ぎず、また、その聖域はイスラム教徒とキリスト教徒のものであることが認められている」とし、それゆえにイスラエル軍が礼拝堂への攻撃を繰り返そうと、イスラエルはアル・アクサモスクやエルサレムに対する主権を得ることはできないと付け加えた。

パレスチナ国民評議会のRawhi Fattouh議長は、国際社会に対し、イスラエル政府とイタマール・ベングヴィール国家安全保障相の「犯罪的狂気」を抑止するように呼びかけた。

Fattouh議長は、イスラエルによる度重なる攻撃は各礼拝所に対する明白な侵害であり、イスラエル・パレスチナ間の紛争に宗教的性格を与えようとするもので、「地域における争いの火種となり、状況をエスカレートさせるものだ 」と述べた。

ファタハ革命評議会のメンバーであるOsama Al-Qawasmi氏は、「バブ・アル・ラフマへの卑劣かつ挑発的な攻撃は、エルサレムのユダヤ化を目論むイスラエルの組織的キャンペーンの一環に過ぎない」と述べた。

パレスチナ大統領府のナビル・アブ・ルデイン報道官は、イスラエルの破壊行為は、同国の過激派政権が事態をエスカレートさせようと手段を模索していることを裏付けるものだと述べている。

「破壊的な政策は、政情の安定化と、事態の悪化防止に向けた地域・国際的な取り組みを頓挫させようとするものだ」と報道官は述べた。

アブ・ルデイン報道官は、礼拝堂はアル・アクサ・モスクの不可欠な一部であり、イスラエルの行動は危険極まりないものだとしている。

26日、イスラエル警察は、周辺の捜索と合わせて、4日連続となるバブ・アル・ラフマ突入を実行した。それに先んじて、警察は電気供給を遮断し、礼拝堂内の設備に損害を与えた。

「慈悲の門」の名でも知られる礼拝堂はイスラエル当局によって16年間閉鎖されていたが、2019年2月にパレスチナ側の働きかけによって開放にこぎつけた。

礼拝堂は約1,300年前にウマイヤ朝によって、エルサレムの壁と東部アル・アクサモスクをつなぐ正門として建設された。

アル・アクサモスクが1967年にイスラエルによって占領された後、礼拝堂の管理は放棄されてきた。礼拝堂が目覚ましい復興を遂げたのは、1992年にイスラム遺産委員会がそこで宗教的・社会的行事を行うようになったからだ。しかし、イスラエル当局は2003年に行事を禁止し、礼拝堂を完全に閉鎖した。

過去3年間にわたり、イスラエル警察は礼拝堂に土足で踏み込むことを続けてきた。また、礼拝堂の上や付近に監視所を設置している。

アル・アクサモスクを管理し、ヨルダンともつながりを持つ、イスラム・ワクフの代表アッザム・アル・カティブ氏はアラブニュースに対し、イード・アル・フィトル以降、イスラエル警察は1日に2、3回バブ・アル・ラフマへの突入を行っていると述べた。

「彼らはバブ・アル・ラフマを特別な礼拝堂としてではなく、アル・アクサモスクの他の施設と何ら変わらないものとして見なしている。そして、過激派がアル・アクサモスクとバブ・アル・ラーマの何を狙っているかを我々は知っている」とアル・カティブ氏は述べている。

彼は、バブ・アル・ラフマはアル・アクサモスクの一部であり、イスラエル当局にその事情に干渉する権利はないと述べた。

アル・アクサモスクの指導者であるオマール・アル・キスワニ氏によると、礼拝堂内外の修復作業が急がれるものの、イスラエル当局はこれを許可しなかったという。

イスラエル警察は、礼拝者に対し頻繁に嫌がらせをしており、強制送還の脅しや手荷物の検査、子どもたちに配るための食料品や風船を没収するなどの行動をとっている。

また、礼拝の際に男女の列を隔てる木製の障壁を置くことを禁じ、靴箱を何度も没収したとアル・キスワニ氏は言う。

過激派ユダヤ教徒は、終末に「待望のメシア」がバブ・アル・ラフマから入ってくると信じており、礼拝堂をシナゴーグに改築しようとしている。しかし、近年の開放によって、その目論見はくじかれた。

アル・キスワニ氏は、礼拝堂をアル・アクサ・モスクから切り離すことがイスラエルからの侵入者の狙いだとしている。

しかし、過去に起きたパレスチナの強い反発から、イスラエル当局が礼拝堂を再び閉鎖することはないだろう、という考えを示している。

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