
ロンドン:ウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員長が「反パレスチナの人種差別的な言葉」を使用したとして、パレスチナで非難の声が上がっている。問題の言葉は、イスラエル建国75周年に寄せたコメントの中の同国の民主主義を称える一節で使われた。
委員長は昨年イスラエルとパレスチナを訪問しているが、在イスラエルEU代表部がツイッターに投稿した映像の中で、イスラエルを「中東の中心にある活気に満ちた民主国家」と称えている。
Today we celebrate 75 years of Israel's independence and friendship with Europe.
— EU in Israel 🇪🇺🇮🇱 (@EUinIsrael) April 26, 2023
A special message from President of the European Commission Ursula von der Leyen: pic.twitter.com/TCi7GpfQWm
「私たちには地理的なつながり以上の共通項がある。私たちの共通の文化や価値観、イスラエルとEU諸国の2つの国籍を持つ数十万の人々が深いつながりをもたらしている」と委員長は語り、「あなた方の自由は私たちの自由だ」と続けた。
また、EUとイスラエルとの関係を称える言葉も聞かれたが、イスラエルが「砂漠の花」を咲かせたという表現について、パレスチナ外務省が激しく非難している。この表現は、1948年の建国以来の国の発展を称える際にイスラエル人がよく使うものだ。
「パレスチナ国家は、欧州委員長による不適切かつ差別的で誤った発言を拒否する。特に『砂漠の花』という表現は、イスラエルの75年間の植民活動との関連において反パレスチナの人種差別的意味合いがある」と外務省は述べている。
https://twitter.com/MartinKonecny/status/1651567921116618752?s=20
そして、「プロパガンダ的発言」についてフォン・デア・ライエン氏を非難した上で、EUのイメージが損なわれ、「国際法や人権に対するEUの取り組みに深刻な疑いが生じる」と主張している。
欧州委員会の報道官は 27日、BBCにおいて、パレスチナ外務省による「欧州委員長を人種差別で糾弾する、不適切な声明に驚きと不快感を覚えている」と話した。
報道官は、委員長の映像に対する「受け入れがたい反応」について、委員会として「明確な対応を求める」と述べた。