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スーダン軍とRSF、戦闘継続をよそに停戦延長

2023年4月30日、敵対する将軍らの勢力間の激しい戦闘が3週目に突入する中、ハルツームにある住宅の上空に立ち上る煙。(AFP)
2023年4月30日、敵対する将軍らの勢力間の激しい戦闘が3週目に突入する中、ハルツームにある住宅の上空に立ち上る煙。(AFP)
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01 May 2023 05:05:42 GMT9
01 May 2023 05:05:42 GMT9
  • 人道的停戦はさらに72時間延長される
  • 双方が声明で相手の違反を非難した

ハルツーム:スーダン軍と敵対する準軍事組織は30日に、人道的停戦をさらに72時間延長すると発表した。民間人と支援物資の安全な移動を可能にすることへの国際的圧力を受けて、この決定がなされたものの、今のところこの不安定な停戦によって戦闘が止んではいない。

双方が声明で相手の違反を非難した。停戦合意により、一部地域で戦闘が沈静化したものの、民間人は依然として戦闘により避難を強いられている。各支援団体も、どうしても必要な物資を国内に届けるために奮闘している。

スーダン軍と同国の準軍事部隊の間で4月15日に勃発したこの紛争は、スーダンを激しい内戦へと追い込む恐れがある。国連は30日に、スーダンの人道危機は「限界点」に達していると警告した。

「スーダンで起きていることの規模とスピードは前例のないものだ」と、国連の人道問題責任者であるマーティン・グリフィス氏は声明で述べている。

同氏によると、同国の各都市、特に首都ハルツームで、水と食料を手に入れるのはどんどん難しくなっており、基本的な医療を欠いた状態のために、多くの人々が予防可能な原因により死亡する可能性があるという。グリフィス氏は、支援物資の「大規模な略奪」が民間人を救う努力を妨げていると述べた。

30日に戦闘の被害に苦しむ病院への補給のために8トンの緊急医療支援を積んだ航空機がスーダンに到着したと、この輸送を組織した赤十字国際委員会が発表した。物資が到着したのは、全国各地での戦闘による民間人の死者数が400人に達し、各支援団体が人道的状況はますます切迫しつつあると警告する中でのことだった。

全国的な医師会は、活発に戦闘が行われている地域にある病院の3分の2以上は機能を停止していると述べ、医療用品、医療従事者、水、電気の不足に言及した。

赤十字国際委員会は、麻酔薬、包帯、縫合糸、その他の外科器具を含む空輸された物資は、紛争で負傷した1,000人以上を治療できるものだとしている。航空機は当日にヨルダンから飛び立ち、ポートスーダンに無事に着陸したという。

「この物資が首都」ハルツームや他の戦闘地域の「最も多忙を極める各病院に届くことを願っている」と、赤十字国際委員会アフリカ地域局長のパトリック・ユーセフ氏は述べた。

犠牲者について調査するスーダン医師組合は30日に、過去2週間で民間人425人が死亡し、2091人が負傷したと述べた。29日にスーダンの保健省は戦闘員を含む全死者数は528人、負傷者は4500人としていた。

最も激しい戦闘の一部はハルツーム一帯で猛威を振るっている。この戦闘において敵対しているのは軍のトップであるアブドゥルファッターフ・ブルハン将軍と、即応支援部隊(RSF)として知られる準軍事組織を率いるモハメド・ハムダン・ダガロ将軍だ。

ともに強力な外国支援者を有する両将軍は、スーダンの民主主義への不安定な移行を頓挫させた2021年10月の軍事クーデターで同盟を組んだが、その後敵対するようになった。

普通のスーダン人が戦闘に巻き込まれている。何万人もの人々がチャドやエジプトといった隣国に避難しており、他の人々は物資が減少する中で身動きできずにいる。数千人の外国人が航空機や車列で避難した。

30日、首都のさまざまな場所で戦闘が続き、自宅に隠れた住人たちからは砲撃の音を聞いたという報告があった。戦闘の沈静化はみられるものの、国際的調停者らの度重なる努力にもかかわらず、停戦が完全に順守されたことはない。

再びの不安定な停戦により戦闘の規模が縮小する中、週末にかけてハルツームの一部の地域で店が再開し、日常が徐々に戻ってきていると住人らが報告した。しかし、他の地域では怯えた住人たちが周囲でとどろく爆発音や家々をあさり回る戦闘員について報告した。

赤十字国際委員会のユーセフ氏によると、同組織は医療支援を無事に病院へ届けられるようにするため、両陣営の最高司令官とコンタクトをとっているという。

「本日の知らせを受けて、これが安定した連携体制の一部となり、別の航空便の到着が可能となるよう心から願っている」と、同氏は述べた。

ユーセフ氏によると、追加の医療支援をハルツームに空輸する準備ができており、必要な許可と安全の保障を待っているという。

スーダンの医療体制は崩壊寸前にあり、何十もの病院が機能していない。多くの支援機関が活動の停止と職員の避難を余儀なくされてきた。

30日、米国政府が組織した第2の輸送車列がポートスーダンに到着したと、米国務省のマシュー・ミラー報道官が述べた。報道官は、米国は米国民と「その他の適格者」が、米国職員がいるサウジアラビアへ向けて脱出するのを支援していると述べた。何人が車列の中にいたのか、米国が具体的にどのような支援をしたのかについて、詳細は明らかにされていない。

現在スーダンにいると思われる推計16,000人の米国人の多くは、米国とスーダンの二重国籍者だ。米国防総省は29日の声明の中で、さらなる避難を支援するために海軍をスーダン沿岸に向かわせていると述べている。

一方、英国は避難のための追加航空便が1日にポートスーダンを出発すると発表し、スーダンからの西欧諸国最大の避難作戦と称する活動を拡大している。

英国政府はスーダンからの退去を希望する英国民に対し、ポートスーダン国際空港にある英国避難対応センターにスーダン時間の12:00までに来るよう求めた。この航空便に先立って、ハルツーム近郊のWadi Sa eednaからの23便のフライトによる2,122人の避難活動が行われている。

AP

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