
パリ:スーダン政府は国内の暴力に終止符を打つためのサウジ、あるいは米国のどのような主導的役割も歓迎すると駐仏スーダン大使のハレド・モハメド・ファラー博士はインタビューの中でアラブニュース・フランスに語った。
ファラー博士は4月15日に国内が暴力に陥った責任は即応支援部隊(RSF)の指揮官であり、ヘメッティとしても知られるモハメド・ハムダン・ダガロ氏にあるとし、次のように警告した。「スーダンは地域的なレベルと国際的なレベルの敵によって標的とされている」
先月、国内の18の州の内の12の州において、アブドゥルファッターフ・ブルハン将軍に率いられるスーダン国軍とRSFの間で激しい戦闘が勃発し、最大の衝突は首都ハルツームで発生した。
スーダン政府は「サウジや米国のどのような主導的役割も歓迎するのと同様に」、暴力を終わらせるためのアフリカのどのような主導的役割も歓迎するとファラー博士は語った。
2度続けて失敗に終わった停戦の試みについて問われると、ファラー博士はヘメッティ氏に責任があるとし、次のように語った。「彼は敗北し、粉砕された。彼の基地の全ては完全に破壊された」
ファラー博士は、RSFの兵士らが「近隣地域に散らばって市民に紛れ込んでおり、これによってRSF兵士らを捕えようとする軍の作戦が複雑化しており、作戦行動をより危険なものとしている」と付け加えた。
戦闘の終わりが見えない中、ファラー博士は戦闘行為に終止符を打つには「時間がかかるだろう」と認めた一方、スーダン当局はアフリカの問題に対してアフリカの解決策を見出すために、アフリカ連合や政府間開発機構(IGAD)等の地域的組織に優先順位が与えられるべきだという立場を明確にしていると付け加えた。
従って、スーダン政府は「サウジや米国のどのような主導的役割も歓迎するのと同様に」、アフリカのどのような主導的役割も歓迎するとファラー博士は語った。
サウジの立場は「積極的なものであり、3日間の停戦を初めて実現できたのはサウジと米国の共同の取組みのおかげである」とファラー博士は付け加えた。
長期的には、サウジアラビアは「特に人道的な面で、建設的な役割を果たすことができる」と大使は語った。
「我々2国間の関係は常に良いものであり続けてきた。アラビアでは100万人近いスーダン国民が働いて生活しており、スーダンの経済に貢献している」
フランスにもまたスーダンの状況の解決において「果たすべき役割が間違いなくある」と大使は語り、「緊張を緩和するために、チャド等の当地域のいくつかの国で影響力を行使すること」が可能なフランスからは「前向きな反応」を受け取ったと付け加えた。
600人以上が殺害され5,000人以上が負傷した衝突の原因は2人の将軍の対立にあると分析する者もいれば、これはスーダン西部のダルフールにおける民族紛争等の、国の歴史の中の未解決問題の避けられない帰結であると分析する者もいる。
しかしファラー博士は、衝突は「スーダン国軍に対して反乱を起こしている」RSFがもたらしたものだと語り、当準軍事組織は「権力を掌握するために国軍に対する反乱を試みた」と付け加えた。
RSFは「国民全体、そして国家全体の意志に反している」と彼は語り、「東ダルフール州の小さな部族である、ヘメッティ氏の部族のメンバーによって援助されている」かもしれないが、当準軍事組織は「外国からの傭兵で構成されている」と付け加えた。
ファラー博士が語るには、戦闘の別の原因は「国軍の改革であり、これはRSFが全ての人に開放されている訳ではなく、イスラム教徒に近いという根拠に基づいて、国軍を解体しそれをRSFで置き換えることから成っていたが、この根拠は全てが嘘だった」
かつて元スーダン共和国大統領であるオマル・アル・バシール氏によってジャンジャウィードという民兵組織を率いるために雇われた元ラクダ商人のヘメティ氏は、軍事指導者、そしてビジネスマンとして頭角を現した。
彼の資金繰りと兵器はリビア国民軍司令官であるハリファ・ハフタル氏と繋がりをもっており、問題になっているRSFの傭兵はとりわけチャドやニジェール等の近隣諸国から非公式にやって来ている。
RSFはロシアとその悪名高い民兵組織ワグナル・グループとの繋がりだけでなく、いつくかのアラブ諸国との繋がりも持つ。
ファラー博士によるとヘメッティ氏にはスーダンにおける本当の人気は無い。
「彼はイデオロギーを持たない兵士であり、教育さえ受けていない。アル・バシールは国軍の影響力とつり合いをとらせるために彼を雇った」とファラー博士は語った。
アル・バシール氏は2013年にかつてのジャンジャウィード部隊を合併することでRSFを設立した。ヘメッティ氏は将軍に昇進して軍隊の責任者となり、大規模な採用活動を開始した。
今日ではRSFは100,000人以上の兵士を雇用しており、ヘメッティ氏自身の権力を使って利益のあがるダルフールの金鉱山を手中に収め、準軍事組織の成長の資金源としている。
ヘメッティ氏は2021年にブルハン氏と協力し、2019年に国民の反乱によって失脚したアル・バシール氏のあとを継いだ市民と兵士で構成される暫定政権を権力の座から追い出した。
ブルハン氏とヘヘメッティ氏は共同で統治を行ったが、くすぶり続けた2人の将軍の間の対立は先月になって激化し、スーダンの人々がその代償を支払わされている。