• 4月中旬から続いている戦闘により、数百人が死亡し数千人が負傷したうえ、援助物資の供給が滞り、10万人の難民が国外に逃れた

ハルツーム：ハルツーム南部で戦闘が続いていた7日、スーダン紛争の各当事者が派遣した代表者がサウジアラビアで協議を行った。3週間におよんで数百人の死者と大量の難民を出しているこの紛争がこの協議によって終結することに、世界各国の仲介者らは期待をかけている。

米国とサウジアラビアによるイニシアティブは、国軍と準軍事組織「即応支援部隊（RSF）」の間の戦闘の終結に向けた最初の真剣な試みだ。スーダンの首都ハルツームの一部を戦闘地帯に変えてしまったこの紛争により、長年の情勢不安と反乱の末に民政移管を実現するという国際社会が支援する計画は頓挫した。

4月中旬から続いている戦闘により、数百人が死亡し数千人が負傷したうえ、援助物資の供給が滞り、約10万人の難民が国外に逃れた。

ポートスーダンからUAEへの退避フライトに乗っていた研究医のマナヒル・サラーさん（28）は、彼女の家族はハルツームの国軍司令部の近くにある自宅に3日間隠れていたが最終的に紅海沿岸まで逃れたと話した。

「生き残ることができて良かったです」と彼女は言う。「でも、深い悲しみを感じています。スーダンに両親を置き去りにしてきましたし、祖国でこのような苦しみが起こっているからです」

何千人もの人々が、ポートスーダンからサウジアラビアに向かう船に乗るか、大金を払って国内で唯一機能している空港から商用フライトに乗るか、退避フライトを利用するかして国外に脱出している。

同じくUAEに向かう退避フライトに乗ったアブドゥルカデルさん（75）は、「幸運にもアブダビまで来ることができましたが、生まれてからずっと過ごしてきたハルツームで起こっていることに心が痛みます」と話した。「生活や思い出を置き去りにすることの辛さは言葉では言い表せません」

仲介者らが和平への道を探る中、両陣営は人道的な停戦については話し合うが戦争終結の交渉は行わないと明言している。

RSFトップのモハメド・ハムダン・ダガロ将軍（通称ヘメッティ）は、RSFが協議に参加していることを認めたうえで、民間人の安全な通路を確保するという自分たちが意図する目的がこの協議を通して実現されることに期待すると述べた。

ヘメッティは、国軍トップのアブドゥルファッターフ・アル・ブルハン将軍を捕獲するか殺害すると宣言している。また、両陣営に妥協して戦闘を終わらせる気が依然としてないことは、現地の状況から明らかだ。

国際社会が支援する民政移管計画が崩壊した後の4月15日に今回の紛争は始まった。

キャリア軍人であるブルハン将軍は、スーダンの統治に当たる評議会の議長である。この評議会は、長年の独裁者だったオマル・アル・バシール大統領（当時）の2019年の失脚、そして2021年の軍事クーデターの後に設立されたものだ。かつて民兵組織のトップとしてダルフール紛争で名を上げたヘメッティは同評議会の副議長を務めている。

へメッティは今回の戦闘が始まる前、文民連合に接近するなどの動きを見せ、政治的計画を持っていることを示していた。ブルハン将軍は、この戦争はヘメッティの「野心」によるものだと非難している。

欧米諸国は、エジプト、サウジアラビア、エチオピア、不安定なサヘル地域の間という戦略的な位置にあるスーダンの民政移管を支援している。

米国のジェイク・サリバン国家安全保障問題担当大統領補佐官はこの週末、サウジアラビアの指導者らとの会談のために同国を訪問した。

ロイター