Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter

サウジアラビア、テクノロジーを駆使したエンターテインメント時代に向けて大規模投資

ハイパースペースは、ゲームアトラクション、没入型シアター体験、コンテンツ制作のためのインタラクティブエリアを含む、デジタルと物理的なエンターテインメントの融合を特徴としている。(提供)
ハイパースペースは、ゲームアトラクション、没入型シアター体験、コンテンツ制作のためのインタラクティブエリアを含む、デジタルと物理的なエンターテインメントの融合を特徴としている。(提供)
ハイパースペースは、ゲームアトラクション、没入型シアター体験、コンテンツ制作のためのインタラクティブエリアを含む、デジタルと物理的なエンターテインメントの融合を特徴としている。(提供)
ハイパースペースは、ゲームアトラクション、没入型シアター体験、コンテンツ制作のためのインタラクティブエリアを含む、デジタルと物理的なエンターテインメントの融合を特徴としている。(提供)
Short Url:
03 Jan 2024 01:01:36 GMT9
03 Jan 2024 01:01:36 GMT9
  • サウジアラビアのエンターテインメント風景は、都市を拠点とする祝祭への新たな投資とテクノロジーの注力によって変貌を遂げる。

レベッカ・アン・プロクター

ドバイ:サウジアラビアは、リヤドとディルイーヤでの盛大な都市型祝祭などを含め、今年も忙しいイベントシーズンを迎えている。その中で王国では、新しいテクノロジーを駆使した新たエンターテインメント・ベンチャーが次々に誕生している。

最新の動きは10月、ショッピングセンター内のデジタルテーマパークを設計する創業3年目のサウジ新興企業ハイパースペース(HyperSpace)に王国が5500万ドルを投資すると発表したことだ。

この資金は、公共投資基金(PIF)の下で政府が支援するエンターテインメント・イニシアティブ「リヤド・シーズン」から提供された。これはハイパースペースが調達した債務と株式の大部分を占めている。

の資金調達ラウンドに参加した他の企業には、米国のギャラクシー・インタラクティブ、ジョージア・セガ・ベンチャーズ、英国に本社を置くアピス・ベンチャー・パートナーズが含まれる。

「本当に、世界で最も革新的なエンターテインメントアトラクションだ」と、ハイパースペースのアレクサンダー・ヘラーCEOはアラブニュースに語り、「これは、すでにデジタル世界に存在するテクノロジーをベースに構築され、初めて物理的なフロントエンドに取り入れられた、ロケーションに基づいたエンターテインメントの完全に新しいアプローチを提供するものだ」と付け加えた。

ヘラー氏は、このアトラクションを「ティックトックとフォートナイトが物理的に大きな赤ちゃんを産んだようなもの」と表現している。

彼はまた、「これはコンテンツ制作の場であり、物理的なビデオゲームでもある。コンテンツ消費、インターネットカルチャー、ハイプカルチャーが物理的なフロントエンドのエンターテインメント空間に移行するという、より大きなテーマに基づいて実際に作られたパークだ」と付け加えた。

ハイパースペースは、ゲームアトラクション、没入型シアター体験、コンテンツ制作のためのインタラクティブエリアを含む、デジタルと物理的なエンターテインメントの融合を特徴としている。

同社は、世界最大の冬のエンターテインメント・イベントと呼ばれるリヤド・シーズン第4弾の一環として、首都リヤドに最新の会場「ハウス・オブ・ハイプ(House of Hype)」をオープンした。

この新たなリヤド・ハウス・オブ・ハイプの未来的なデザインの部屋に入ったゲストは明るくカラフルな光に迎えられる。

現実世界とバーチャル・リアリティの世界をつなぐ世界最大級の没入型エンターテインメント・パークと称されるこのイベントで、来場者はバーチャル空間でテクノロジーに没頭し、ゲームやショッピングを楽しむ。

「これは、大規模な物理的ビデオゲームを作るというアイデアに大きくインスパイアされている」とヘラー氏は付け加えた。「そして、AAAゲーム業界のアイデンティティと戦術を物理空間に引き込んでいる」

「PARXプラットフォームは、このパークのデジタルレイヤーに命を吹き込み、ゲーム世界のゲームエコノミーを反映したトークン主導の報酬システムを通じてゲームの場を強化し、最終的には来場者のデジタルアイデンティティのエンゲージメントを高めるために構築されている」

「これは、大規模ビデオゲームを物理的に再現したようなものだ」とヘラー氏は付け加えた。「ただ、私たちが構築したものは、世界で最も最先端の物理的ゲームシステムによって構築されたAAAゲーミングエコノミーに基づいており、はるかに複雑、かつスマートだ」

「AAA」とは、通常、有名パブリッシャーが制作・販売する、高予算で注目度の高いビデオゲームを指す。これは、ゲーム構築の制作価値、費やされる開発リソースやマーケティング予算が高水準であることを意味する。

6万平方フィートのパークでは、ハイパーコインと呼ばれるゲーム内通貨を使用し、人工知能データを使ってゲームの課題を生成する。

サウジアラビアは、多くの主要セクターにおいて、新しいイノベーションとテクノロジーの最前線に自らを位置付けている。それは驚くべきことだ。

ハイパースペースCEO、アレクサンダー・ヘラー氏

ヘラーCEOは、PARXアプリがハイパースペースのデジタルレイヤーであり、物理的なアトラクションに加えて、ゲームおよびデジタルアイデンティティ主導の要素を提供することで、来園者がパーク内で、そして来園後にもさらに引き込まれるように構築されていると説明する。

さらに、ヘラー氏は、ハウス・オブ・ハイプはWeb3テクノロジーを大衆市場のオーディエンスに伝道するために構築されたと付け加えた。これは、顧客に初めてのウォレット、非代替性トークン(NFT)、「ゲーム内通貨」などを紹介し、彼らにとって意味のあるやり方で、かつ達成可能な方法でWeb3に参加できるようにするものだ。

つまり、顧客は、成功とエンゲージメントがゲームプレイの意欲によって測定される、制御されたサンドボックスの中で、新しいテクノロジーとさらに深く関わることになる。

ハウス・オブ・ハイプは、サウジアラビアの急成長するエンターテインメント市場において、新しいテクノロジーを導入する取り組みを反映している。今年は、リヤド・シーズンの一環として開催されたプログラムやイベント、体験を通して、この取り組みが顕著に示されている。

ハイパースペースは2021年1月にドバイで設立され、Google、SNAP、ミル(The Mill)、アマゾン、ユニティ、アップルなどの有名企業出身の業界専門家からなる、多分野にわたるチームで構成されている。

同社は、AAAビデオゲーム、ソーシャルメディア、その他のデジタル・エンターテインメントの魅力と、友人や家族との楽しい時間という普遍的な魅力とのギャップを埋めようとしている。

ドバイのワフィモールにある同社のデビュー・アトラクション「AYA」は、4万平方フィートにわたって12の体験ゾーンがある、デジタル没入型の体験施設であり、開業後9カ月で48万枚以上のチケットを販売した。

リヤドのハウス・オブ・ハイプは、リヤド・シーズン終了後、ブルバード・リヤド・シティの常設アトラクションとなる。

10月28日に開幕し、2024年4月に閉幕するリヤド・シーズンは、国内外の観光客にとって大きな魅力となっている。

他では体験できない高級レストランが提供する国際色豊かな料理から、ダイナミックな乗り物や没入型の体験まで、リヤドは、その歴史的なナジュド文化から、未来志向のダイナミズムまで、あらゆるものを兼ね備えた都市となる。

トゥルキ・アル・シェイク総合娯楽庁長官は9月、自身のXアカウントに投稿した動画で、リヤド・シーズンはハイテク要素を活用した60の「新しい体験」を提供すると発表した。

その第一弾として彼が挙げたのは、「バービー」の世界であり、そのブランドの歴史を復活させ、今年初めに公開された大ヒット映画を反映したものになるという。

同イベントはまた、ディズニーの創立100周年を記念して、中東で初めてディズニーキャッスルを開催している。同氏によると、このイベントには「最も有名なディズニーアニメーション映画に触発された素晴らしいショー」が含まれているという。

その他の没入型体験としては、「ダンシング ファウンテン」や子供向けの教育・エンターテインメント体験「ブリッピー ワンダーズ」があり、さらに、「ゼロレイテンシー・エクスペリエンス」では、来場者にデジタル・コンテンツとのリアルなインタラクティブ体験を提供する。

「ハイパースペースがサウジアラビアで急成長を遂げ、ジェネレーティブAIとWeb3の交差点に位置する次世代のエンターテインメント企業を築こうとしているのを目の当たりにできることを嬉しく思う」とアル・シェイク氏は声明で述べた。エンターテインメントとレジャー体験のための新技術を強調することに加え、アル・シェイクは第4回目となる同イベントの開催について、「20万人以上の直接および間接の雇用を創出し、約2000社の地域、および国際企業を支援することを目指している」と述べた。

リヤド・シーズンは、700万平方メートルを超える敷地でエンターテインメント体験を提供する。

「今シーズンは一味違う」と彼は述べた。「大きな飛躍となる」

テクノロジーを駆使したエンターテインメントの時代への移行は、文化、観光、スポーツチーム、電気自動車の生産など、他の分野に投資することで石油収入への依存を減らすという、王国の『ビジョン2030』計画の一環である。

PIFが所有するサビー・ゲームズ(Savvy Games)が、米国の大手ビデオゲーム会社スコープリー(Scopely)を49億ドルで買収したことで、サウジアラビアの世界的なゲームハブへの取り組みは大きな成果を上げた。

リヤド中心部から約45キロメートルに位置する「キディヤ・エンターテインメント・シティ」は、2030年までに世界最大のエンターテインメント都市になると予想されている。この都市は334平方キロメートルをカバーする。

こうしたエンターテインメントにまつわる話題は、文化、エンターテインメント、スポーツ活動を通じてサウジ国民の生活の質を向上させることを目指す王国の『ビジョン2030』のロードマップを明確に反映している。

王国のエンターテインメント・アミューズメントセクターは、2030年までに11億7000万ドル規模の価値になると予想されている。

「サウジアラビアは、多くの主要セクターにおいて、新しいイノベーションとテクノロジーの最前線に自らを位置付けている」と、ヘラー氏はアラブニュースに語った。「それは驚くべきことだ」

特に人気
オススメ

return to top